大銀座落語祭2007 7/12朝日ホール

「怪談『真景累ヶ淵』　落語と映画で楽しむ会」
－『怪談』試写会付き－
解説：鈴々舎馬桜
出演：古今亭菊之丞「豊志賀」

映画「怪談」の原作である落語「真景累ヶ淵」を聞いて、その後に映画を楽しむというとってもオイシイ企画。これが1000円で楽しめるなんてねぇ～。嬉しいね。

まず鈴々舎馬桜さんによる解説から。
鈴々舎馬桜さんは、2年前の大銀座落語祭でも落語を聞かせてもらった方なんですが、古典芸能全般について詳しく知っていらっしゃるようですし、落語についてもいろいろと勉強されていて詳しいことを知っていらっしゃるようで、凄いなあと思います。話し方が飄々としてピリリと皮肉が利いていて、なんか好きですねぇ。
江戸時代、歌舞伎に「累もの」と呼ばれるジャンルがあって、成田屋が得意としていたそうです。「真景累ヶ淵」は、元は「累ヶ淵後日（ごにち）の怪談」の題で安政6年に圓朝が作ったそうで、そのときは大道具なども使った芝居風の話だったそうです。
明治になると、「幽霊は存在しないもの」という風潮が広まって、幽霊が見えるのは神経のせい、と言われるようになったのを逆手にとって「しんけい」→「真景」をつけて「真景累ヶ淵」という題に変え、道具なしの素噺になったそうです。
落語「真景累ヶ淵」についてですが、これを全編やると1日1時間で15日間かかるとか。ひえーそんなに長い話だったんだ。で、今日やる「豊志賀の死」は、そのなかの1つの噺で、いちばん面白いところだとか。

落語「豊志賀」
古今亭菊之丞による落語。


落語が終わって、映画を上演する有楽町までバス4台でピストン輸送。途中で移動なんて、初めてだよこんなこと。バス貸し切って移動だなんて、すごい金かかってるなぁ。
第1弾が移動中、時間稼ぎということで鈴々舎馬桜さんとスタッフで来ていた林家きくおさんとのフリートークがありました。実はここがいちばん面白かったかも（＾＾）
きくおさんが9月下旬から木久蔵を襲名するということで、その話題とか、その他雑談を聞かせてもらいました。9月下席～10月いっぱいで、上野広小路亭、浅草演芸ホール、池袋演芸場、新宿末広亭を回るそうです。順番はちょっと忘れました…。
あと面白かったのが、小朝師匠が志ん生師匠のテープを持ってきて「これ聞いて勉強しなさい」と言って渡したときに、「死んだ人の声聴くなんて怖いからいやだ」と断ったそうです。わははー！なにその発想はー！面白いなぁ。
鈴々舎馬桜さんと林家きくおさんのトーク、面白かったです。楽しかった。


映画「怪談」
落語「真景累ヶ淵」の長い話のうち、前半部分を映画化しているということですね。
映画の冒頭は講談師の語りから始まりました。
お話は全然怖くなくて、綺麗な感じですね。最後、上手く綺麗に収まったなぁという感じがします。あと、落語で聞いていたときはチャキチャキの江戸弁だったのが、映画では標準語なんで、随分雰囲気が変わるなあと思いました。標準語だと上品に感じます。
菊之助さんと女優陣との濡れ場がけっこうリアルでどきどきでした。
やっぱり菊之助さんは女形で見たいな。でもさすがに煙草を売り歩くときの声はよく通る素敵な声でした。
これから観る人、ぜひお楽しみに。

ちなみに、Yahoo!動画に鈴々舎馬桜さんの「真景累ケ淵～豊志賀の死」がありました。良かったら聞いてみてください。