――ファンタズマゴリア――
走馬灯のように 次々と移ろいゆく 幻想の中で
プロフィール
管理人:波華
観劇好き。主に狂言、歌舞伎、日本舞踊、大衆演劇、落語などをよく観ます。大蔵流茂山千五郎家、尾上菊之助さん、中村勘九郎さん、尾上菊之丞さん、橘菊太郎劇団、劇団花吹雪、などがお気に入り。
現代演劇で最大のお気に入りは花組芝居。その他、大中小気になった劇団を観に行きます。
日本舞踊のお稽古をしています。
たまに着物や歌やゲーム(DQ,FF)の話題も。
連絡先 e_yassie@yahoo.co.jp
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木ノ下歌舞伎 「勧進帳」
2010年05月18日(火) 21:22:43
横浜STスポット
5/13 初日
最初のきっかけは「京都創生座」でした。第3回公演「四神記」を観に行った時に、スタッフとして参加していた木ノ下歌舞伎主催の木ノ下さんの事もパンフレットに紹介されていて、木ノ下歌舞伎って何ぞ?と思って調べたところ、「三番叟/娘道成寺」とか「四谷怪談」とか「寺子屋」とか上演しててなんだこれーめっちゃ気になるぞー今まで全然知らなかったぞーってことで観に行くことにしたのでした。
縁とは不思議なもんですな。どこで繋がるか予想できない。
5/13 初日
最初のきっかけは「京都創生座」でした。第3回公演「四神記」を観に行った時に、スタッフとして参加していた木ノ下歌舞伎主催の木ノ下さんの事もパンフレットに紹介されていて、木ノ下歌舞伎って何ぞ?と思って調べたところ、「三番叟/娘道成寺」とか「四谷怪談」とか「寺子屋」とか上演しててなんだこれーめっちゃ気になるぞー今まで全然知らなかったぞーってことで観に行くことにしたのでした。
縁とは不思議なもんですな。どこで繋がるか予想できない。
上演時間60分ほど。
小さな劇場で、客席は60席ほど?会場に入ったら花道の上を通ってる自分がいて「えぇっ」と戸惑ってしまいました。びっくりさせないでー。車道を模した花道が舞台になっていて、その両サイドに客席が配置されてました。
テキストはほぼ元の「勧進帳」と同じ、台詞回しも歌舞伎の手法そのまま。でも音楽がロック調だったりストリート系っぽかったり。役者の衣装は洋服。富樫も義経も番卒も。山伏はアメリカ人俳優で、この人だけ山伏の衣装でした。
花道の中央に「止まれ」の道路標識とオレンジの境界線。この境界線がひとつのポイントで、関そのものを表していたり、現代と古典の境目だったり、客席と舞台の境目だったり。花道の半分で山伏が芝居してる時に、反対側で富樫役の役者さんが[観客]となって舞台を観ているというシチュエーションもあったんですよね。で、最初は楽しんでみてるけど次第に居眠りしだして手にしてた筋書きを落としたり…なんてことにもなってて。これは一種の皮肉なのか。ちなみに小道具の筋書きは今月の新橋演舞場のだったな。
役者は、役の台詞はもちろん言ってたけど、長唄の詞も言ってたのかな?鳴り物の音を、掛け声のホンヨーなどと一緒にポン!とかカン!とかヒャー!とか言ってたのが面白かったしなかなか様になっててカッコよかった。特に弁慶が勧進帳を読み上げているところを富樫が覗こうとしてハッとなってばったりとなるところ、お囃子が気迫がこもっていて良かったなぁ。惚れ惚れしたぞよ。
山伏は、古典の台詞そのままの場面もあり、急に現代言葉になるところもあり、勧進帳読み上げは英語だったり、これは面白くて笑える!
酒を飲んで舞う場面は、ビール瓶とアルミのたらいで。イッツアスモールワールドの音楽でダンシング~!なんだこの楽しい雰囲気は!あはは~。
こうして見ると、弁慶って、義経一行を率いて富樫と相対して、偽の勧進帳も読んで、義経をちょうちゃくして、酒を飲んで、踊って、富樫と友達になって…懐の深い、度量のあるすごい人物だなぁと思ったのでした。
アフタートークあり。
役者は全員オーディションで決めたそうです。役者が決まった時点では演出は一切決まってなかったそう。お稽古で、まず勧進帳のビデオを見て完全コピーすることに取り組んで、そこから演出を決めたとか。もともと古典が得意な役者を揃えたわけでもなさそう。
勧進帳を取り上げたのは、一筋縄ではいかない作品にあえて取り組んで、苦労してみたかったのだとか。そして案の定苦労したみたいです。
さて、総評として…
私だけの感覚かもしれないけど、ちょっと惜しいなと思ったのは、全体を通して抽象的な作品という印象で終わったことかな。1本筋道が通った感じがないなーと思って。テキストはほぼ原作どおりで、いろんな要素を取り入れていろいろ遊んで面白い作品になって、いろいろあったけど何だっけ?て感じで。
こう思ったのは、花組芝居と比較したからなんだけど…。
上手く説明できないんだけどさー。花組芝居も古典の作品を持ちながらいろんな要素をまぜていっぱい遊んでいるんだけど、ちゃんと筋道が通っていてとても具体的な印象だから。なんでこう印象が違うのか私にも分からないのだけど。
遊び方が、多岐にわたって発散しているか、なんとなく方向性が決まっているか、の違いか?
あるいは様式的な型の模倣だけなのか、感情描写も伴うか、の違いか?どうだろう~。
批判的な意味でなく、木ノ下歌舞伎は若い試みの作品だからもっと遊んでもらっていいと思うし、これが数年経ったらどう熟するかってのは楽しみな気がするな。別に花組芝居のようになる必要もないしね。
次の作品も楽しみですな。
その前にできることなら過去の作品も見たい!三番叟や四谷怪談をどんな風に作ったのか、知りたい。
いつか桜姫もやってみたいとか。おおーいいんじゃない~?
小さな劇場で、客席は60席ほど?会場に入ったら花道の上を通ってる自分がいて「えぇっ」と戸惑ってしまいました。びっくりさせないでー。車道を模した花道が舞台になっていて、その両サイドに客席が配置されてました。
テキストはほぼ元の「勧進帳」と同じ、台詞回しも歌舞伎の手法そのまま。でも音楽がロック調だったりストリート系っぽかったり。役者の衣装は洋服。富樫も義経も番卒も。山伏はアメリカ人俳優で、この人だけ山伏の衣装でした。
花道の中央に「止まれ」の道路標識とオレンジの境界線。この境界線がひとつのポイントで、関そのものを表していたり、現代と古典の境目だったり、客席と舞台の境目だったり。花道の半分で山伏が芝居してる時に、反対側で富樫役の役者さんが[観客]となって舞台を観ているというシチュエーションもあったんですよね。で、最初は楽しんでみてるけど次第に居眠りしだして手にしてた筋書きを落としたり…なんてことにもなってて。これは一種の皮肉なのか。ちなみに小道具の筋書きは今月の新橋演舞場のだったな。
役者は、役の台詞はもちろん言ってたけど、長唄の詞も言ってたのかな?鳴り物の音を、掛け声のホンヨーなどと一緒にポン!とかカン!とかヒャー!とか言ってたのが面白かったしなかなか様になっててカッコよかった。特に弁慶が勧進帳を読み上げているところを富樫が覗こうとしてハッとなってばったりとなるところ、お囃子が気迫がこもっていて良かったなぁ。惚れ惚れしたぞよ。
山伏は、古典の台詞そのままの場面もあり、急に現代言葉になるところもあり、勧進帳読み上げは英語だったり、これは面白くて笑える!
酒を飲んで舞う場面は、ビール瓶とアルミのたらいで。イッツアスモールワールドの音楽でダンシング~!なんだこの楽しい雰囲気は!あはは~。
こうして見ると、弁慶って、義経一行を率いて富樫と相対して、偽の勧進帳も読んで、義経をちょうちゃくして、酒を飲んで、踊って、富樫と友達になって…懐の深い、度量のあるすごい人物だなぁと思ったのでした。
アフタートークあり。
役者は全員オーディションで決めたそうです。役者が決まった時点では演出は一切決まってなかったそう。お稽古で、まず勧進帳のビデオを見て完全コピーすることに取り組んで、そこから演出を決めたとか。もともと古典が得意な役者を揃えたわけでもなさそう。
勧進帳を取り上げたのは、一筋縄ではいかない作品にあえて取り組んで、苦労してみたかったのだとか。そして案の定苦労したみたいです。
さて、総評として…
私だけの感覚かもしれないけど、ちょっと惜しいなと思ったのは、全体を通して抽象的な作品という印象で終わったことかな。1本筋道が通った感じがないなーと思って。テキストはほぼ原作どおりで、いろんな要素を取り入れていろいろ遊んで面白い作品になって、いろいろあったけど何だっけ?て感じで。
こう思ったのは、花組芝居と比較したからなんだけど…。
上手く説明できないんだけどさー。花組芝居も古典の作品を持ちながらいろんな要素をまぜていっぱい遊んでいるんだけど、ちゃんと筋道が通っていてとても具体的な印象だから。なんでこう印象が違うのか私にも分からないのだけど。
遊び方が、多岐にわたって発散しているか、なんとなく方向性が決まっているか、の違いか?
あるいは様式的な型の模倣だけなのか、感情描写も伴うか、の違いか?どうだろう~。
批判的な意味でなく、木ノ下歌舞伎は若い試みの作品だからもっと遊んでもらっていいと思うし、これが数年経ったらどう熟するかってのは楽しみな気がするな。別に花組芝居のようになる必要もないしね。
次の作品も楽しみですな。
その前にできることなら過去の作品も見たい!三番叟や四谷怪談をどんな風に作ったのか、知りたい。
いつか桜姫もやってみたいとか。おおーいいんじゃない~?
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初めましての方はぜひ自己紹介を。
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