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――ファンタズマゴリア――     走馬灯のように 次々と移ろいゆく 幻想の中で
プロフィール
管理人:波華
観劇好き。主に狂言、歌舞伎、日本舞踊、大衆演劇、落語などをよく観ます。大蔵流茂山千五郎家、尾上菊之助さん、中村勘九郎さん、尾上菊之丞さん、橘菊太郎劇団、劇団花吹雪、などがお気に入り。
現代演劇で最大のお気に入りは花組芝居。その他、大中小気になった劇団を観に行きます。
日本舞踊のお稽古をしています。
たまに着物や歌やゲーム(DQ,FF)の話題も。
連絡先 e_yassie@yahoo.co.jp
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Colours of Light -Yasunori Mitsuda Vocal Collection-
光田康典
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第四回「三響会」
2004年09月29日(水) 23:08:42
「三響会」を観に行きました。
能楽囃子方と歌舞伎囃子方のコラボレーションというだけでも面白い試みなのに、立方も地方も能楽・歌舞伎入り乱れた演出になっていて、すんごい不思議な気分を味わいました。なかなか面白かったです!

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場内アナウンスは広忠さんでした。いつものあの誠実そうな口調で、しかも少しくすっと笑えるような注意事項がいかにも天然ぽく聞こえて、なんだか可愛らしく聞こえてしまいました。
喋るときのあの独特なテンポは癖になりますね(^^)いいですよー。

能と歌舞伎による「竹生島」
亀井・田中三兄弟の囃子が正面後方、左手に地謡、右手に長唄三味線琴という配置。地謡が謡っているときは仕舞を見ているかのように思えるし、長唄三味線琴が演奏しているときは日本舞踊を見ているように感じます。
立方は亀次郎、七之助、勘太郎なので当然日本舞踊なんだけど、地謡に併せて踊っているのを見るとすっごい不思議な気分になった!
立方3人は紋付袴の素踊りでした。ビバ素踊り!万歳!
彼らの素踊りを観られる機会なんてそうそうないですよね~。
歌舞伎で見る時は白塗りしてるんだもん。
勘太郎さんが出てきた時は思わず心の中で「へーすけー!」と叫んでた(笑)なかなか凛々しくてカッコよかったですよ。
「中村屋」「澤瀉屋(おもだかや)」の声もかかっていました。
囃子も三人息が合っていてよかったです。広忠さんの掛け声は相変らず気合入ってます。傳左衛門さんの掛け声もなかなか素敵でした。

舞囃子「高砂」
100%能形式でした。囃子方は広忠さん初め藤田六郎兵衛さん、大倉源次郎さん、金春国和さんら能楽囃子方。地謡もついて観世銕之丞さんが立方でした。

「勧進帳」
先ほどと打って変わって100%歌舞伎様式、というか日本舞踊というべきか。傳左衛門さん初め歌舞伎囃子方と三味線に合わせて中村富十郎さんが踊りました。
富十郎さんっておいくつかしら。ホント元気ですよね。「天王寺屋」の掛け声もかかっていました。

能と歌舞伎による「道成寺」
囃子方に三兄弟。地謡が上手にいました。鐘が正面後方に釣り下がっていました。その両側に松明みたいに炎が燃えていて、炎の揺らめきが床に揺れる影を作っていて、何とも幻想的な空間になっていました。
演出は殆ど能の「道成寺」に沿っていたんじゃないかと思います。冒頭のワキの宝生欣哉さんとアイの逸平さんは能装束で、台詞のやり取りや雰囲気も能そのもの。
(ちなみに私は能の「道成寺」は未見です…)
この演目で最も異種格闘したのは、多分前シテの菊之助さんでしょうね~。花道から出てきた菊之助さんは、白塗りしてはいましたが、装束は能の装束そのもの。逸平との台詞のやり取りでも、女方の作った高声ではなく、普通の立方の声でした。
(しっかし、まさかいっぺさんと菊之助さんが共演するなんてことが起こるとは思わなかったな~。しかも舞台で台詞を交わすなんて!こんな機会二度とないだろうな)
能の「道成寺」の見せ場の一つである「乱拍子」、これはシテと小鼓の緊迫するやり取りで、小鼓に合わせてシテ方がつま先を浮かせたり、おろしたり、足を横に伸ばしたり、という細かな足の動きを見せるんですが、静かな中に小鼓の掛け声と音だけが響く中でシテ方が凝縮された最低限の動きのみをするので、本当に緊迫感があります。
舞踊の道成寺物ではこの「乱拍子」は能のように繰り返さず、簡略化されてるそうです。
しかし、菊之助さんは、今回あえて能の「乱拍子」をやったんじゃないかなぁと思いました。今までに私が観た「紀州道成寺」と「男女道成寺」ではあんなに長い「乱拍子」は無かったもの。
だから、菊之助さんは今回の公演で他の立方が誰もやってない異種格闘にあえて挑戦したのかなぁと思い、だとしたら菊之助さんはすげぇよなー!と、ほとほと感心したのでした。
菊之助さんの舞踊らしい舞踊を見られなかったのはとても残念だったけれど…。
さすがに雰囲気的に能っぽかったので、「音羽屋」の声は掛かりませんでした。誰も掛けられんだろ…
後シテの場面は、眠くなってしまいました…ごめんなさい。


最後、少しだけカーテンコールがありました。
幕が下りた後に客席がなかなか明転しなかったので、ん?と思っていたら、また幕が上がって、三兄弟含む囃子方が軽くお辞儀をして幕が下りました。
まさかカーテンコールがあるとは思わなかったな~。
一言も喋らない、ああいうあっさりしたカーテンコールはむしろこの会の雰囲気に合っていて好もしかったです。


能と歌舞伎のコラボなだけあって、一粒で二度美味しい感があって、たっぷり楽しめました♪
こうなると、能と歌舞伎の演出の両方が混ざっているわけで、「これはどっちの演出を採ってるんだろう?」と思うことが多く、もっと能と歌舞伎に詳しくなりたいなーと知識欲が沸いてきました。
結局、能楽囃子と歌舞伎囃子の違いは分からなかったな…やれやれ。
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