東都八景四季賑

9/19　国立劇場大劇場　4列上手



長唄「七福神」〔猿若町・市村座／春〕　西川扇藏・花柳寿南海
長唄「丁稚」〔王子飛鳥山／春〕　（丁稚）市山松扇
清元「三社祭」〔浅草／夏〕　（悪玉）花柳典幸・（善玉）尾上青楓
常磐津「水売」〔深川／夏〕　（水売り）花柳寿楽
清元「神田祭」〔神田／秋〕　（手古舞）花柳寿美・（鳶頭）藤間蘭黄
長唄「俄獅子」〔吉原／秋〕　（芸者）橘芳慧・（幇間）花柳翫一
　　　　　　　　　　　　　　　　　　（幇間）若柳里次朗
義太夫「櫓のお七」〔本郷／冬〕　（お七）尾上紫
常磐津「乗合船」〔隅田川／再春〕　（太夫）尾上菊之丞・
　　　　　　　　　　　　　　　　　　（才蔵）西川箕乃助・（白酒売）藤間洋子
　　　　　　　　　　　　　　　　　　（芸者）橘　芳慧・（通人）花柳翫一
　　　　　　　　　　　　　　　　　　（通人）若柳里次朗・（鳶頭）藤間蘭黄
　　　　　　　　　　　　　　　　　　（女船頭）花柳寿美


あのですねー。
青楓さんと、お姉さんの紫さんの舞踊を楽しみに観に行ったんですけど。
青楓さんの三社祭も良かったんですが、紫さんのお七が本当に素敵で！素晴らしくて！感動しました。

まず「三社祭」。
花柳典幸さんも青楓さんもどっちも体細ぉ～い。悪玉の典幸さんのほうがずいぶん背が高かったです。
先日の舞踊発表会でも三社祭があったので、お稽古を良く見ていたので振りはなんとなく覚えがあったので、同じ振りとかちょっと違う振りとか、分かるのが楽しかったなぁ。
さすがに、あのハードな踊りを軽やかに踊ってました。もしかしたら、三津五郎さんに踊りを習いに行ったそうなので、役者の振付なのかも。基本的に単発の舞台が多い舞踊家の振りより、歌舞伎興行などで1ヶ月毎日同じ演目を踊らなきゃいけない役者の振付のほうが、体力温存できるような省エネの振りなんですって。
まーそれにしても、青楓さんカッコイイわぁ。爽やかでキレのある踊り。ミーハーですいません。何でこんなにミーハー的に好きなんだろうなぁ。なもんで、余韻に浸っちゃって次の舞踊は見てても頭に入って来やしない…



「櫓のお七」これが本当に素晴らしかった！
登場したときに姿の美しさにまず目を奪われます。紫さん本当に美人。ちょっとだけ、芝のぶさんに似て見える…。
それから人形振り。人形振りって普通の女の舞踊とは全然質が違うんじゃないかと観ていて思うんですが、足をグッと広げて身を乗り出したり、人形遣いと動きを合わせて跳んだり体を横たえたり、かなり体力を使うんじゃないんでしょうか。男の人でも大変そうなのに、安定感ありました。紫さんの踊りの素晴らしさと、そこから伝わるお七の切ない心情に感動して涙、涙。えーなんでこんなに泣けちゃうんだろう。自分でもビックリ。
紫さん、櫓のお七はこれまで何回くらい踊ったことがあるんだろう。そして他の女性舞踊家さんでこれだけ踊れる人っているんだろうか。
尊敬しちゃうなぁ。こういう素敵な踊りを踊れるようになりたいものだなー。



そのほか、面白かったのが「丁稚」
丁稚姿の舞踊で、最初はお使い途中に犬と遊んでいる場面。歌詞がすでに「不細工の～」と言っているからそういう容姿のようなんです。
途中、なぜか唐子人形になってシンバルっぽい楽器を叩くという踊り。唐つまり中国の人形ってことで、唄もでたらめの唐音だらけ。唐相撲みたいで面白い～
それから、犬相手にクドキの舞踊。日本舞踊って人間じゃないもの相手にクドキをやることがなぜか多いけど、なんでなんだろう。
構成が面白い舞踊でした。