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――ファンタズマゴリア――     走馬灯のように 次々と移ろいゆく 幻想の中で
プロフィール
管理人:波華
観劇好き。主に狂言、歌舞伎、日本舞踊、大衆演劇、落語などをよく観ます。大蔵流茂山千五郎家、尾上菊之助さん、中村勘九郎さん、尾上菊之丞さん、橘菊太郎劇団、劇団花吹雪、などがお気に入り。
現代演劇で最大のお気に入りは花組芝居。その他、大中小気になった劇団を観に行きます。
日本舞踊のお稽古をしています。
たまに着物や歌やゲーム(DQ,FF)の話題も。
連絡先 e_yassie@yahoo.co.jp
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FINAL FANTASY VII ADVENT CHILDREN
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Colours of Light -Yasunori Mitsuda Vocal Collection-
光田康典
B002EBDN20


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初体験:文楽鑑賞教室
2004年12月13日(月) 22:56:01
文楽鑑賞教室を観に行ってきました。
生で文楽鑑賞初体験です。

伊達娘恋緋鹿子 だてむすめこいのひがのこ
 火の見櫓の段

解説 文楽のたのしみ
 義太夫節について
 人形の遣い方

平家女護島 ─俊寛─
 鬼界が島の段

拍手[0回]


平日はいつもこうなんでしょうねぇー。
前半分の席はどこやらの女子中学生によって占められていました。客席に若い声の飛び交うこと飛び交うこと。すごい面白い雰囲気になっていました。


「伊達娘恋緋鹿子」は、櫓に登って半鐘を打つまでの本当に短い場面を描いたものです。上演時間は10分か15分くらいしかなかったと思います。
3人の人形遣いのチームワークは凄いですやっぱり。
櫓のはしごを登る場面は、人形遣いが姿を隠して、人形が一人で登っているように見せる工夫がされています。見てすぐ仕掛けは分かるんですが、それをあまり気にさせないような派手な人形の動きが目を惹きました。
文楽って全体的に普通の演劇で人間が大げさに動作する以上に派手な動きで見せてるんじゃないかなぁ~と感じました。

解説では、まず義太夫解説に豊竹咲甫大夫さんが舞台上手の床にご登場。想像したよりは硬い話し方だったので、女子中学生の心を掴むトークは難しいぞ…といらん心配をしてしまいました(笑)
まず腹式呼吸について。どんな大きなホールでもマイクなしなので、腹式呼吸をするための工夫が3つある。
一つめは腹帯で、下っ腹に太い帯をぎゅっと巻いている。舞台のスクリーンに「咲甫大夫」の名が入った未使用の帯が映し出されました。咲甫大夫さんが手にしていたのは使用後の帯。11年物で洗濯してないそうな。
二つめは「おとし」と呼ばれる、小さくて細長い枕状のもの。中に小豆や砂利や砂を入れて、お腹に入れて重石にするそう。咲甫大夫さんのは100%十勝産小豆なんだって。嘘やろ~。
三つめは「尻敷き」(しりひきかな?)。正座するときの座椅子と似ているけれど使い方が違って、かかとを立てて腰を下ろします。座っていても立っている状態を保つためだそうです。
大夫の目の前には漆塗りの見台(けんだい)が置かれます。これは組み立て式でバラすと下の引き出しに収まります。見台の上に床本(ゆかほん)と呼ばれる台本を置きます。一行8,9字で5行書かれているそうです。これは決まりかな?
あとは「時代物」と「世話物」の違いを話してくれました。笑い方の違いを実演してくれたのですが、「時代物」は『んーん、はーは』を繰り返す独特な笑い方。世話物は普通に『わはは』という笑い方でした。

続いて三味線の解説。床の回転式の盆が回転して鶴澤清丈さんが登場。この方はちょっと面白い感じでしたね~。三味線は文楽の中で一番地味だと訴えてました。「人形」「浄瑠璃」という言葉の中にどこにも三味線が出てこない、だから是非「人形三味線浄瑠璃」という言葉にして欲しいとか。
三味線には大きさによって太竿、中竿、細竿とあるそうです。文楽では太竿を使います。音の違いを実際に聞かせてくれました。三味線の皮は犬の皮だそうです。知らなかった。表の皮だけ、猫の皮を使うことがあるそうです。
竿の上についた「パラソルチョコレート」みたいな部品(笑)は「ねじめ」と言って、弦を調節するもの。弦は絹糸で出来ています。
胴の部分で弦を浮かせるのに使っているキットカットみたいな部品は「こま」で、水牛の角を圧縮したとても硬いもの。撥は象牙で、太竿の場合は分厚い。
メールの文章の合間に顔文字で感情を表すように、三味線は義太夫の語りの合間に感情を表す音を入れていく、と解説。「悲しみ」「怒り」「喜び」の音を実演で聞かせてくれました。

そして最後に人形の解説で吉田勘市さんが舞台に登場されました。左遣い、足遣いの方も顔出しでご登場。
まず男の顔の仕組みについて。顔の形を作った後、二つに割って中をくりぬいて目や眉の仕掛けを作ることはすでに知っていましたが、この仕掛けは女には無いそうです。理由は、仕掛けのための目の切れ目が影を作ってしまうから。二枚目の男の場合も同じく顔は動かないそうです。なるほど。
男と女の大きな違いは足があるか無いか。働く庶民の女は足があることもあるそうですが、普段足を見せることの無い高貴な女の場合は、脚の動きを着物の裾の動きで表現するからだそうです。
あと、女性の人形の口の横には針がついていて、そこに袖を引っ掛けて引っ張ると、袖を咥えてキーッと怒っている様子を表すことが出来ます。
人形を動かすときには、顔を見せている主遣いが残りの二人に合図を出します。なので、合図がきちんと出せていればアドリブにも対応できます。足遣い10年、左遣い10年の修行の間に主遣いが出す合図を覚えるそうです。


解説は以上。
最後は「俊寛」です。TVで歌舞伎の「俊寛」なら見たことがあります。
気になったのは、成経が妻に娶った島の娘の千鳥のことを語る場面。字幕が出るので歌詞がよく分かったのですが、内容がずいぶんとエロい感じになっていてびっくり。会場からも含み笑いが起きてたもんなー。歌舞伎でもおんなじ風に語ってるんだろうか?
中盤は少し眠くなってしまった…もったいない。
最後に船が去っていった後、俊寛が一人岩に登って船を見送るシーンにはぐっと来ます。大道具の仕掛けもドラマティックで好きです。


初文楽を体験して素直な感想。
人形遣いの技術が優れていることは確かなんだけれど、私としては生身の人間が演じたほうが(つまり歌舞伎のほうが)面白いかなと思いました。
文楽のことをまだまだわかってはいないけれど、人形が演じると全てが上品に収まってしまうようにも感じました。ちょっと刺激が足りない。もしかしたら今日の演目以外にもっと面白いものもあるかもしれないけどね。
あと、現代だと文楽からスターって生まれにくいと思うんですが、どうでしょう。歌舞伎と比べるとよく分かると思う。
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コメント
こんにちは。
私も正直な感想としては”文楽より歌舞伎の方が面白い”ですねぇ。
けどでも、蓑助さんや玉男さんが遣う人形すごいですよ。是非一度ご覧ください。
鑑賞教室の演者は若手中心ですので、そういう問題なのかもしれません。
asari URL 2004年12月14日(火)21:38:59 編集
なるほど、確かに鑑賞教室は若手中心ですね。
今回の席は最後列だったのもあるので、今度はベテランによる公演を前の席で見てみたいです。

逆に、櫓お七の人形振りの舞踊も観てみたいと思ってます。
波華@管理人 URL 2004年12月17日(金)17:26:56 編集

初めましての方はぜひ自己紹介を。
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