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――ファンタズマゴリア――     走馬灯のように 次々と移ろいゆく 幻想の中で
プロフィール
管理人:波華
観劇好き。主に狂言、歌舞伎、日本舞踊、大衆演劇、落語などをよく観ます。大蔵流茂山千五郎家、尾上菊之助さん、中村勘九郎さん、尾上菊之丞さん、橘菊太郎劇団、劇団花吹雪、などがお気に入り。
現代演劇で最大のお気に入りは花組芝居。その他、大中小気になった劇団を観に行きます。
日本舞踊のお稽古をしています。
たまに着物や歌やゲーム(DQ,FF)の話題も。
連絡先 e_yassie@yahoo.co.jp
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FINAL FANTASY VII ADVENT CHILDREN
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Colours of Light -Yasunori Mitsuda Vocal Collection-
光田康典
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狂言風オペラ「フィガロの結婚」
2006年03月28日(火) 17:53:03
狂言風オペラ
モーツァルト「フィガロの結婚」
3月25日(土) 東京オペラシティコンサートホール タケミツメモリアル
狂言師:茂山千之丞、茂山あきら、茂山宗彦、茂山茂、茂山童司
人形師:小野智美、島美穂(劇団 貝の火)
演奏:ドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメン管楽ゾリステン
   中村寿慶(鼓)


クラシックと狂言という、全く似合わなさそうな組み合わせが意外と合っていて、とても楽しめました!何とも面白い試みでしたねぇ。
千五郎家はこういう演劇は流石に得意ですね。過去何度も観ている千五郎家の新作狂言と同様、自由度の高い演技を見せてくれたなぁと思います。
狂言という大きなバックボーンに支えられつつも、限りなく現代演劇に近い。
こういう画期的な試みを、ご当主の一つ上の世代である千之丞さんが率先して取り組んでいるというのがすごいですよね。

拍手[0回]


茂山千之丞:主人(アルマヴィーヴァ伯爵)
人形   :奥方(伯爵夫人)
茂山宗彦 :太郎(フィガロ)
茂山茂  :おすう(スザンナ)
茂山童司 :天丸(ケルビーノ)
茂山あきら:おはる(バルバリーナ)

席は舞台上手の2階バルコニー席。舞台の上手が見えないのが致命的(;_;)
なので二幕目は1階の空いている席に移動しちゃいました。

舞台には特にセットは無し。
下手にはゾリステンと小鼓の寿慶さんが演奏する椅子が並んでいて、演奏の合間に、あるいは演奏にあわせて舞台中央で千五郎家が劇を進行していく、というスタイル。

まずは、前口上役として天使の童司くん登場。小袖に袴といういつもの狂言スタイル(肩衣無し)に、天使の羽根を背負ってます!か~わいい~!
その後、天使という正体を隠して、千之丞さん演じる主人のお屋敷に小姓として雇われることになります。

天丸の舞に合わせて、ドリスデンの皆さんが「もう飛ぶまいぞこの蝶々」の演奏をしながら、歩いて登場。のどかですねぇ。
ファゴットのお姉さんが1人だけ黒い着物を来ていましたよ!他はみんなタキシードや黒のドレスなのに。お姉さんなのに、男の着物に角帯を貝の口結びに黒足袋で。あれ、あきらさんの紋付じゃないかな、もしかしたら。紋がよく見えなかったのですが、○に「あ」と書いてあったらあきらさんの紋付ですよ。
彼らの演奏は、滑らかで柔らかくて、心和むものでした。指揮者がいないので、クラリネットのリーダーらしきお兄さんの合図で息を合わせて演奏する様子がカッコよかったです。
彼らは、演奏以外にもいろいろお芝居に参加していましたよ。
デモに参加する民衆の役。みんなで立って、
トノサマアッパレ!バンバンザイ!
セクハラハンタイ!バンバンザイ!
拙い日本語で参戦するのです。最高!面白いなぁ!
中村寿慶さんは一人紋付袴で小鼓の演奏。音響がいいのでめちゃめちゃ響きますね。さすが武満メモリアル。

千之丞さん演じる主人は、女好きのエロオヤジ。そんな千之丞さんも可愛いけどね♪
千之丞さんも含め、全般的に逢引の描写がリアルでしたねぇ。どんなに新作の狂言でも、ここまでやったことは無かったと思うぞ。
だって、千之丞さんの腰付きがイヤラシイんだもの。きゃぁ~(><)

太郎とおすう夫妻の登場。お調子者の旦那としっかり者の奥さんという組み合わせは狂言的ですね。パントマイムで引越しをしているときも、尻に敷かれているもっぴ(笑)
もっぴと茂ちゃんって、夫婦の配役が似合いますよねぇ。実際にももっぴはお調子者で、茂ちゃんは冷静沈着だと思うし。
どこかの場面でプロレスネタ出てきましたよ(笑)千五郎家はプロレスネタが好きねぇ。太郎に技をかける茂ちゃんが強かった(^^;

そういえば、もっぴの逢引の描写もリアルでした。張り切りすぎ(笑)
オクサーン、好きでおます、もうギンギンです、おっぱい触らせて、
などなど、好き勝手言いまくり。オイオイ!
誰の真似なの!?どこの国の人ですかあなた!?
そんな感じ(笑)。まぁいつもどおりのもっぴだけどね。

奥方さまが人形だったのですが、なんだかとても可愛らしい存在だなぁと感じました。
これを人間がやったら、全く印象が違うでしょう。
サイズは人間の6,7割ほどの大きさ。顔は文楽人形のような端正な表情ではなく、漫画的な愛嬌のある表情。人形遣いは二人で、体+右手担当と、左手担当に分かれてました。
この奥方さまが、周りの人間がどんなにドタバタを繰り広げていても、変わらず微笑をたたえてゆったり眺めているし、自分の主人を懲らしめる作戦にも「あら面白そう」なんて乗っちゃうところなんか、すごい余裕だなぁと思います。包容力のある、できた奥方ですねぇ。パンフレットに「全てを超越している、全てを見通している存在」として描きたかったと書かれていましたが、確かにそういう雰囲気を感じました。だからこそ、そんな奥様に私は心を寄せてしまったようです。
いやぁ。本当に可愛かったなぁ。奥方さま。
この人形の奥方さまが、ドリスデンの演奏にあわせて扇を手に舞を舞う場面もありました。これも美しかった…!
この場面ってどういう位置づけなんでしょうね。誰もいないところで一人密かに舞を舞う奥方さま。舞は、普段から感情を露にしない奥方さまが感情を表に出せる唯一の手段なのかもしれない。そう思わせるような、何か激しいものを感じたんですよね、奥方さまの舞に。
漫画「あさきゆめみし」で、大君の母上が夜中に一人「乱陵王」を舞っていた、という話を思い出してしまいました。
そう考えると、奥方さまは穏やかそうでどこか凄みを感じる存在ですねぇ。

狂言師も、ドリスデンの演奏にあわせて小舞を舞っていました。
何とも不思議な光景です。でもこれが意外と合っていました。西洋の音楽に合わせて舞うのはやりにくかったでしょうねぇ。リズムを合わせようとしたって絶対上手く行かないもの。
祝言の場面では高砂の謡と舞もありました。一瞬、猿唄を謡うのかなーとも思ったのだけど、外れでした。やっぱ結婚式には高砂よね!若手は慣れないふうであんまり謡が合ってなかったけど(^^;

最後、オチがすごい。
というかその前に寿慶さんに笑った。
中村寿慶さんが、いつの間にかモーツァルト鬘をかぶってるんだもの!ウケるよ!面白すぎるよ!
童司くんに鬘を取り上げられるときに「痛い、痛い、やめて」と言ってるし(笑)意外といい役者やってくれるじゃないですか!
んで、天丸は天使という正体をばらし、自分は天主の使い、つまり「天」アマ、「主」デウス=モーツァルトの使いである、ということだそうです。

最後の演奏は、かの有名なメンデルスゾーンの結婚行進曲。
なんと、小鼓も参戦!ポポポポン、ポポポポン。
違和感が全く無い!お見事!というか、これどっかで聞いた事があるような気がするぞ?ってくらい、普通に調和してましたねぇ。
ホントに、これ過去にどこかでやってない?

カーテンコールは三回ありました。
面白い舞台でした。ドリスデンの演奏もよかったし。
是非、今後も続けて欲しいですね!
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