東京茂山狂言会

10/27 国立能楽堂　脇正面

千之丞追悼公演でした。

どの番組も、初見でした。

狂言　「妙音へのへの物語」
仙人にもらった豆を食べると、おならで妙なる楽を奏でられるようになった男の話。そういう御伽草子か何かの話を元に、千之丞さんが新作狂言にしたのだそうな。
分かりやすくて面白いお話！楽を奏でるときの七五三さんの恰好が可愛い。逸平さんの麻呂っぷりが笑える。
演出がいろいろと工夫されていて、舞台転換が狂言の手法も使いつつ新しい方法を取り入れたりしていた。舞台後方に立てた几帳の後ろで身支度を整えていたのは、脇正面から丸見えだったけれどね(笑)
囃子方に藤田六郎兵衛さん～大倉源次郎さん～亀井広忠さん～三島元太郎さん～！豪華だわぁ～。そして尺八つき。小山菁山さん。尺八で、妙なる楽を聴かせてくれるのがおもしろかった。


狂言　「呂蓮」
千之丞さんが最後に演じた番組だそう。
話の内容はどうってことないのだけどね。
発心して出家したんじゃなかったのかい～妻に叱られて言い訳して人のせいにするとは～出家の資格がないだろ～とツッコミどころ満載ですな。かわいそうな話ですわ。


室町歌謡組曲
CDにもなっている「ハイパー室町歌謡組曲BASARASARA」から何曲か、あとプラスα。
お囃子方が引き続き演奏～。広忠さん以外はCD収録時のお囃子と同じメンバーなのだよね。
メモできた範囲では
「梁塵秘抄」
「七つになる子」
「京童」
「小原木」
「こちゃ知らぬ」
「俗塵秘抄」
「唐音」
「上を向いて歩こう」
「猿歌」
他にもいくつか小唄、謡が入ってたと思うけどわかんなかったー。

良かったなぁ。楽しかったなぁ。後半は特に感動した。
大人しく座って謡うだけじゃなかった、さすが千五郎家。小舞つきだったり、「こちゃ知らぬ」では全員立って囃し廻ったり、「唐音」では唐相撲の帝王さんお着替え部分を囃子付きで見せてくれたり。あー唐相撲観たいー
「上を向いて歩こう」は驚いた。童司くんの謡がいつの間にか「上を向いて歩こう」の歌詞になって、笛の六郎兵衛さんがソロで歌いだして（超美声！）みんな立って歌詞に合わせて小芝居を初めて…。面白くて笑ったけど、いろんな意味で鎮魂の歌だなと思ってしんみり感動してしまった。
締めの猿歌は最高だぁ！

あぁ。千之丞さんの声を聴きたくなったよ。




ハイパー室町歌謡組曲 BASARASARA
茂山千之丞 バサラサ連