――ファンタズマゴリア――
走馬灯のように 次々と移ろいゆく 幻想の中で
プロフィール
管理人:波華
観劇好き。主に狂言、歌舞伎、日本舞踊、大衆演劇、落語などをよく観ます。大蔵流茂山千五郎家、尾上菊之助さん、中村勘九郎さん、尾上菊之丞さん、橘菊太郎劇団、劇団花吹雪、などがお気に入り。
現代演劇で最大のお気に入りは花組芝居。その他、大中小気になった劇団を観に行きます。
日本舞踊のお稽古をしています。
たまに着物や歌やゲーム(DQ,FF)の話題も。
連絡先 e_yassie@yahoo.co.jp
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春狂言 2日目
2004年05月05日(水) 17:57:54
春狂言2日目を観に行ってきました。
あいにくの小雨でしたが、思い切って着物で出かけました。
着物で出かけるのは私自身嬉しいのですが、ちょっと戸惑うのは道すがらやたら見られてしまう事ですね…駅までの道のりとか、電車の中とか。
そんなに珍しいかなぁ? うーん、珍しいか…。
私は着物を着ている人を見かけると、別の意味で観察してしまいますけどね。
あの帯、素敵だなぁ、とか。綺麗な着こなしだなぁ、とか。
あいにくの小雨でしたが、思い切って着物で出かけました。
着物で出かけるのは私自身嬉しいのですが、ちょっと戸惑うのは道すがらやたら見られてしまう事ですね…駅までの道のりとか、電車の中とか。
そんなに珍しいかなぁ? うーん、珍しいか…。
私は着物を着ている人を見かけると、別の意味で観察してしまいますけどね。
あの帯、素敵だなぁ、とか。綺麗な着こなしだなぁ、とか。
さて、能楽堂に着いて…
中で、グッズ販売をしているかと思ったら、していませんでした。
ちぇっ、奥様方のどなたかがいらっしゃるだろうと思って楽しみにしていたのに~
セクターのスタッフが夏の「納涼茂山狂言祭」のチケット販売をしているだけでした。
「文荷」主人:佐々木千吉 太郎冠者:網谷正美 次郎冠者:茂山逸平
網谷・逸平の組み合わせって、珍しいですよねー
久しぶりに見た網谷さんは、なんだか少し痩せられたようにも見えました。もうてょっと体ががっちりしていた記憶があるので…。
しかし、相変わらず逸平の声はよく通りますね。声量もあるし。能楽堂中に響き渡っていました。網谷さんとも上手く意思の疎通が図れていて、心地よかった。
昨日の今日だったので、舞台で歌う(謡う)ことについてはついつい敏感になっているようです。
「武悪」主人:茂山あきら 太郎冠者:茂山宗彦 武悪:茂山千之丞
武悪を生で見たのは初めてでしたが、前半はえらい緊張する場面ですねぇ。
初めに出てくるあきらさん、宗彦さんの歩き方がすでに重々しいし、台詞のトーンも低く、なによりあきらさんが開口一番怒りの言葉を発するので本当に恐ろしい!
その分、後半のドタバタぶりは引き立ちます。
ちょっと気になったのは、宗彦さんの歩き方。また膝を痛めているんじゃない?と思いました。立ち方によって腰がぷるぷるしていたような気がするので。
ぷるぷると言えば、もうひとつ気になったのが、太郎冠者が武悪を切ろうとするところ。
切ろうとして刀を振りかざし、爪先立ちで伸び上がるけれど、切れずに刀を引く。
もう一度刀を振りかざすけど、やっぱり切れずに刀を引く。
爪先立ちのときに、やたら全身をぷるぷる震わせていて、これは演技のためにわざとやっていたものだと思うんですが、こんなに叙情的な演出をするものなの?とびっくりしました。
そのあと太郎冠者が泣き出すときも、普段の狂言の「泣き」の型よりも、泣き出し方がリアルで、すごく意外に感じました。
今までこういう細かいところまでは見たことが無かったので何ともいえませんが、随分と写実的な演出だなぁ、狂言ぽくないなぁ、どっちかっつーと歌舞伎ならこれくらいはするのが普通だろうけど、と私は感じたのでした。
うーん、どうなんだろう?宗彦さんなりの解釈かな?
しっかし、武悪役の千之丞さん、可愛かったなー
「みどもは、ぶあくのゆうれい~」とか何とか言って、柱にコテっと寄りかかるところが!カワイイーv
「鬼の継子」女:茂山童司 鬼:丸石やすし お代官:茂山逸平 太郎冠者:茂山千之丞
古典狂言「鬼の継子」に新解釈を加えたものだそうです。古典のあらすじでは、最後に鬼が本性を表して幼子を食べようとするところを、女が子を奪い返して逃げていくという筋です。
新釈では、鬼が幼子の可愛さのあまりに抱きかかえたきり離さなくなり、鬼の情の深さに感じ入った女と一緒になって幸せに暮らす、というハッピーエンド。
新釈というだけあって、随所に現代語がちりばめられていました。
例えば、最初に出てくる女は酒乱の夫に愛想をつかして出てきたそうですが、「世にいうできちゃった婚で一緒になった男」なんですって。
面白いよねー。
面白いんだけど、なんだかなぁ、同時にちょっと冷めちゃうんだよなぁ、私。
あと、女を見て一目ぼれした鬼が「プロポーズしょうと存ずる」とかね。これはまだいいかな??
まぁ、個人的な好みですので、お気になさらずに。
しかし、丸石さんの鬼は可愛かったなー。狂言の鬼は本当に可愛いですねぇ。
そして、狂言の女は本当にしたたかですねぇ。普通、子供を鬼に預けて代官を呼びに行くか!?
ところで、この番組の見所って、鬼の可愛らしさや心優しさだと思うのですが、代官と太郎冠者もいい味を出していました。どっちかと言うとアホキャラですけど(^^;
継子を抱きかかえて離さない鬼を見て、情が移って急に泣き出しちゃうんですからね、代官は。最初は「涙もろいお方だから…」と呆れていた太郎冠者も、そのうち一緒に泣き出してしまいます。
ああ、なんとも平和な光景だなぁ。
新釈だけれど、鬼が人間臭くて心優しい鬼として描かれているところには狂言らしさを感じました。
終わって帰るとき、客席に京極夏彦さんがいらっしゃるのを友達が発見しました。
おおー本当だ!京極さんだ!
例の特徴的な髪型で分かりました。着物姿でしたよー。
中で、グッズ販売をしているかと思ったら、していませんでした。
ちぇっ、奥様方のどなたかがいらっしゃるだろうと思って楽しみにしていたのに~
セクターのスタッフが夏の「納涼茂山狂言祭」のチケット販売をしているだけでした。
「文荷」主人:佐々木千吉 太郎冠者:網谷正美 次郎冠者:茂山逸平
網谷・逸平の組み合わせって、珍しいですよねー
久しぶりに見た網谷さんは、なんだか少し痩せられたようにも見えました。もうてょっと体ががっちりしていた記憶があるので…。
しかし、相変わらず逸平の声はよく通りますね。声量もあるし。能楽堂中に響き渡っていました。網谷さんとも上手く意思の疎通が図れていて、心地よかった。
昨日の今日だったので、舞台で歌う(謡う)ことについてはついつい敏感になっているようです。
「武悪」主人:茂山あきら 太郎冠者:茂山宗彦 武悪:茂山千之丞
武悪を生で見たのは初めてでしたが、前半はえらい緊張する場面ですねぇ。
初めに出てくるあきらさん、宗彦さんの歩き方がすでに重々しいし、台詞のトーンも低く、なによりあきらさんが開口一番怒りの言葉を発するので本当に恐ろしい!
その分、後半のドタバタぶりは引き立ちます。
ちょっと気になったのは、宗彦さんの歩き方。また膝を痛めているんじゃない?と思いました。立ち方によって腰がぷるぷるしていたような気がするので。
ぷるぷると言えば、もうひとつ気になったのが、太郎冠者が武悪を切ろうとするところ。
切ろうとして刀を振りかざし、爪先立ちで伸び上がるけれど、切れずに刀を引く。
もう一度刀を振りかざすけど、やっぱり切れずに刀を引く。
爪先立ちのときに、やたら全身をぷるぷる震わせていて、これは演技のためにわざとやっていたものだと思うんですが、こんなに叙情的な演出をするものなの?とびっくりしました。
そのあと太郎冠者が泣き出すときも、普段の狂言の「泣き」の型よりも、泣き出し方がリアルで、すごく意外に感じました。
今までこういう細かいところまでは見たことが無かったので何ともいえませんが、随分と写実的な演出だなぁ、狂言ぽくないなぁ、どっちかっつーと歌舞伎ならこれくらいはするのが普通だろうけど、と私は感じたのでした。
うーん、どうなんだろう?宗彦さんなりの解釈かな?
しっかし、武悪役の千之丞さん、可愛かったなー
「みどもは、ぶあくのゆうれい~」とか何とか言って、柱にコテっと寄りかかるところが!カワイイーv
「鬼の継子」女:茂山童司 鬼:丸石やすし お代官:茂山逸平 太郎冠者:茂山千之丞
古典狂言「鬼の継子」に新解釈を加えたものだそうです。古典のあらすじでは、最後に鬼が本性を表して幼子を食べようとするところを、女が子を奪い返して逃げていくという筋です。
新釈では、鬼が幼子の可愛さのあまりに抱きかかえたきり離さなくなり、鬼の情の深さに感じ入った女と一緒になって幸せに暮らす、というハッピーエンド。
新釈というだけあって、随所に現代語がちりばめられていました。
例えば、最初に出てくる女は酒乱の夫に愛想をつかして出てきたそうですが、「世にいうできちゃった婚で一緒になった男」なんですって。
面白いよねー。
面白いんだけど、なんだかなぁ、同時にちょっと冷めちゃうんだよなぁ、私。
あと、女を見て一目ぼれした鬼が「プロポーズしょうと存ずる」とかね。これはまだいいかな??
まぁ、個人的な好みですので、お気になさらずに。
しかし、丸石さんの鬼は可愛かったなー。狂言の鬼は本当に可愛いですねぇ。
そして、狂言の女は本当にしたたかですねぇ。普通、子供を鬼に預けて代官を呼びに行くか!?
ところで、この番組の見所って、鬼の可愛らしさや心優しさだと思うのですが、代官と太郎冠者もいい味を出していました。どっちかと言うとアホキャラですけど(^^;
継子を抱きかかえて離さない鬼を見て、情が移って急に泣き出しちゃうんですからね、代官は。最初は「涙もろいお方だから…」と呆れていた太郎冠者も、そのうち一緒に泣き出してしまいます。
ああ、なんとも平和な光景だなぁ。
新釈だけれど、鬼が人間臭くて心優しい鬼として描かれているところには狂言らしさを感じました。
終わって帰るとき、客席に京極夏彦さんがいらっしゃるのを友達が発見しました。
おおー本当だ!京極さんだ!
例の特徴的な髪型で分かりました。着物姿でしたよー。
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