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――ファンタズマゴリア――     走馬灯のように 次々と移ろいゆく 幻想の中で
プロフィール
管理人:波華
観劇好き。主に狂言、歌舞伎、日本舞踊、大衆演劇、落語などをよく観ます。大蔵流茂山千五郎家、尾上菊之助さん、中村勘九郎さん、尾上菊之丞さん、橘菊太郎劇団、劇団花吹雪、などがお気に入り。
現代演劇で最大のお気に入りは花組芝居。その他、大中小気になった劇団を観に行きます。
日本舞踊のお稽古をしています。
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「花よりも花の如く」
2005年05月02日(月) 23:34:32
花よりも花の如く (1)ちょっと前のことですが、やっと「花よりも花の如く」1巻を読みました。
すんごい今更ですね(^^;
ブックオフで見つけて購入した次第です。

これ、いろんな所で評判が良いですが、確かにイイです。面白いです。好きです!
何が良いかって、能の事を非常に詳しく伝えているし、話の流れも特別ドラマティックな展開があるわけではなく淡々と進んでいくところが、何だか親近感がわくからです。
あぁ、能を生業としている人と言っても特別な世界の人じゃないんだな、私たちと同じなんだなと思わせてくれるのです。

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例えば、能面は穴が小さいので舞台が見えないし息は苦しいという苦労があるけれど、それを稽古で乗り越えて舞台に立っているということが分かると、能楽師はもともと特別な能力を持っている人種ではないということがわかってちょっと安心する。もちろん大変な努力をしているからこそ、私たちには出来ないことができるのだけど。
それから、夏の薪能では舞台に虫がたくさんいて大変な思いをした話なんかは、見ている私たちにすれば、平気な顔で演じているけれど内心はやっぱり「寄るなーあっちいけー」なんて思ってたのかぁ、とわかってちょっと安心してしまう。そして更に、内心パニクっていても表面には出さずに立派に舞台をつとめるプロ意識に感心してしまうのです。
あと、ミュールの音がハリオウギに聞こえてしまう話。どの業種でもありうるじゃないですか、内輪にすごくウケる職業病って。こういうお話を聞かせてもらうと、能楽師の人間臭いところが感じられて、親近感が沸くのです。

ところでハリオウギって、「貼り扇」?それとも「張り扇」?どっちでもありそうでギモンなのです。どなたかご存知の方いらっしゃるでしょうか…。

伝統芸能を題材にした漫画はそう数はないと思いますが、私が読んだ事のあるのは某エビ様をモデルにした歌舞伎漫画「カブキなさい!」と、某お豆腐狂言師をモデルにした「しなやかに傷ついて」の2つです。
この2つの漫画に比べると、「花よりも花の如く」の何と心地よく親しみやすく、伝統芸能好きの心をくすぐる優れた漫画であることよ。

「しなやかー」は、はっきり言って最悪。人間を馬鹿にしているのかと思った。頭の悪い小娘のふざけた色恋沙汰には付き合っていられません。狂言の事なんか何一つ伝えていないし、むしろお堅い伝統芸能の世界ってやっぱりフツーの人間には近寄りがたいものがあるのね、なんて思わせる漫画。題材にしている狂言への冒涜では?
「カブキなさい」も、あんまり歌舞伎の事を伝えていませんね。むしろ男女のスキャンダラスな恋愛に重きを置いているようで、これじゃ梨園はやっぱり一般人には理解できない複雑な事情が跋扈している世界なのね、と思わせる漫画。この漫画を読んで歌舞伎を観に行きたいと思う人はいないでしょう。

「花よりも~」を読んで、私は激しく能を観に行きたくなりました。
夏以降に薪能を観に行くのもいいよなぁ。ちょっと考えておこ。

運良く本日、またもやブックオフで2巻を手に入れたので、これからじっくり読みたいと思います♪
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コメント
「花よりも花の如く」読まれましたか(^^)
いいでしょ? 自然に能の世界へ誘ってくれるあたりが。

個人的には大学の先輩後輩の関係で、
能楽師の書生さんに親しくさせていただいているのですが、
その方と憲人さんが重なるんですね。
憲人さんは2巻最後にさっさと独立されてしまいますが(笑)

ミュールとか「もー幸せ」とか渋滞→地謡は大ウケでした。
ところで、ハリオウギは「張り扇」のようです。
古くて壊れてしまった舞扇などを加工して作るんですが、
あまりに強く打ったために壊したことがありまして(笑)
弁償として自分の扇を取り上げられたことがあります。
柏木ゆげひ URL 2005年05月03日(火)07:55:37 編集
『花よりも花の如く』いいですよねー(^^)
私は周りの稽古仲間に貸したりして、広めています(笑)
お能の絵が素敵ですね。
それ以上に、心に響いて自分のバイブルに等しいです(笑)

私も「もー幸せ」は使ってみたいなーと(笑)
私は「もー緊張!」なんですが(爆)
昨日も会の直前に申し合わせをして頂いたのですが、
しっかり笛方に師匠以上に駄目だし頂きまして・・・(^^;
そのおかげで本番は良くなったと思うのですが。



『カブキなさい』は私も「おいおい・・・」と思いました(^^;。どーみても海老じゃん、パパじゃん!な絵(笑)立ち読みでチェックのみでしたが・・・。
でも、ご存じかもしれませんが、宮尾登美子『きのね』とかもかなり赤裸々です。先代団十郎の奥様がモデルなんですけど、ちょっと名前を変えてあるだけで、結構事実なんでねぇ・・・。(詳しくは控えます。)裏の裏は、やはり関係者ではない、ただのファンの私は知らないので、コメントできませんが、もうちょっとスキャンダラスではなく、本当に良いものを読みたいですよね。魅力はワイドショー的なものではなく、舞台そのものなのですから。


>柏木ゆげひ様
張り扇強く打ちすぎたら、壊れることがあるんでsね(^^;
たまに先生が強く打って、はじけて飛ぶこと(あくまではじける)があるんですけど。
みゆみゆ 2005年05月04日(水)17:11:33 編集
>ゆげひさん
はい、読みました!仰るとおり、自然に能の世界に誘ってくれるのが心地いいんですよね。
大切にしたいです。
「貼り扇」なのですね。謎が一つ解決しました。ありがとうございます!
舞扇から作るんですね。形がたしかに閉じた扇の形ですもんね。
そ、それを壊してしまったのですか!?よっぽど強かったのでしょうか…
弁償で扇を取り上げられたなんて、なんだかちょっと微笑ましいような気が(笑)

>みゆみゆさん
バイブルですかーいいですねー!能楽のお稽古をしているとやっぱり心に響くのですね。
私の場合、やっぱりちょっと、違うんですよね。日本舞踊のお稽古には、あまり響かないです。舞台という意味では同じなはずなんですけどね。
あ、本番終えられたのですね。お疲れ様でした!ダメ出し怖いですよね…。うう、想像すると私も怖くなっちゃいます!
『カブキなさい』は私も立ち読みですが、別にエビ様をモデルにしているとは公言してないんですか?それっていいんでしょうか…
『しなやか~』はいちおう宗彦さんに取材して、モデルとして紹介もしてます。取材の成果はなかったようだけど。

> 魅力はワイドショー的なものではなく、舞台そのものなのですから。
そうそう!その通りですよね!
私は恋愛ドラマが元々嫌いなので、なおさら悲しい…。
舞台そのもの、芸能そのものを伝えてくれる良い漫画が他にもあればいいのになぁ~。
波華@管理人 2005年05月05日(木)00:41:39 編集
張り扇を壊したのは、私が大鼓を習っているから、というのも
あると思います。それこそノってくると、命がけ(笑)と
亀井親子の言葉ではないですが、鉄の枠にはめた革に
手を打ち付けて、痛いのを我慢して打つような楽器ですから
それを張り扇にぶつけたら、脆くも…(^^;)

師匠がお稽古下さるときも強く打ってらっしゃるように
見えるのですが、何か壊さずに強く打つコツがあるのかもしれません。
そのころ舞扇を買い替えたばかりで古いのがあったので、
別に困りはしなかったのですが。

ところで。

伝統芸能をネタにしたマンガや小説って、芸のことそのものより、
後継ぎ争いをサスペンスにしたり
(特に能面は殺人事件と組み合わされることが多くて)
「特別な世界」ということを際立たせるようなものが多いですが、
特別な部分があっても、結局は同じ生身の人間がやっているということ、
そのことをきちんと描いている点で、『花よりも花の如く』が
好きなんです。成田美名子さんのマンガは他も好きなんですけど(^^)
柏木ゆげひ URL 2005年05月05日(木)08:26:20 編集
こんな事を言うのも何なのですが、とても痛い思いをして手を駆使する楽器が確立したのって、不思議な感じです。多分、この奏法が最も良い音色を生むということで確立されたものなのでしょうけど。
大鼓にぶつけるエネルギーを受け止める張り扇も、大変ですね(^^)

能楽師が出てくるサスペンスドラマ、観た事がありますよ。篠井英介さんが能楽師で、あろう事か舞扇で人を殺していました…。とっても有り得ないお話でした。
「特別な世界」であることばかりが取沙汰されるからこそ、『ドラマ』の舞台になっちゃうんでしょうね。別にそんな特別な世界じゃないのになぁ。
私も生身の人間をきっちり描いているところが、この漫画を好きな理由です!
波華@管理人 URL 2005年05月07日(土)00:42:45 編集

初めましての方はぜひ自己紹介を。
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