黒色綺譚カナリア派「そまりえ～或る模倣画家の苦悩～」

花組芝居の磯村さんと小林さんも、観に来ていました。

ムフフ♪

無意識なのか意識しているのか分からないけれど、古典風の演技なんだよねぇ、涼くんって。
花組的芝居なんだろうか？加納さんに仕込まれた女形の演技？
その古典風な雰囲気が、異質な存在感を生んでいてすごく良かったよ。

涼くんがそこにいるだけで空気が変わったように感じたのは、ただの贔屓目かもしれないけれど…
激しく動いているわけではないのに、圧倒的な迫力があったのは確か。

周りが現代的な演技をしている分、涼くんはいい意味で浮いていた。
この芝居の中では、赤熊先生はほぼ回想シーンにしか登場しないから、そうであって相応しかったと思う。


衣装は着物。お太鼓を締めて。アンティーク着物かな。正絹ぽかった。
でも、着物の着こなしがイマイチ…裾も裄も短い。
眼鏡を装着。似合いすぎだー
綺麗なシルバーの眼鏡チェーンも装着。キラキラ輝いてた。


いぢわるセンセイっぷりがたまらん～！
着物姿なのに裾をめくって足を広げて真っ赤なステテコが丸見え。
あけびの背中に座ったり、画商の矢車に寄りかかって首元に顔を寄せたり。
小刀抜いてちゃぶ台に突き立てたり。
攻め攻め光線MAX！

う、うれしい…
どっきどき。


全員、配役が男女完全に逆転。
面白いなと思いながら見ていたけれど、どんな意図を狙ったんだろうな…
毎公演、こうなんだろうか？
仕草や振る舞いについては、女性を演じる男は別に女らしくしようと努めているようには見えず、男性を演じる女も別に男らしくしようと努めているようにはあまり感じなかった。
あえてそうしていたんだろうと思う。
男性を演じる女優は爪に赤いマニキュアを塗っていて、その部分が異常に女らしさを発揮していた。
女性を演じる男優は、平気で足を開いて胡坐をかいたりしていた。
男の台詞に伴う感情の発露は男らしく、女の台詞に伴う感情の発露は女らしかった。
不思議な感覚だ～
でも、配役が男女逆転していてもあんまり違和感を感じなかった私は少数派なのかもしれないな…今思うと。
だって、普段から男性の女形の芝居や女性の立役のお芝居なんて、かなり見慣れてるもん。

舞台セットはミニチュア。台所や布団やトイレやちゃぶ台やお茶碗が小さくて可愛かった。



帰りは雨。傘持ってこなかった…