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――ファンタズマゴリア――     走馬灯のように 次々と移ろいゆく 幻想の中で
プロフィール
管理人:波華
観劇好き。主に狂言、歌舞伎、日本舞踊、大衆演劇、落語などをよく観ます。大蔵流茂山千五郎家、尾上菊之助さん、中村勘九郎さん、尾上菊之丞さん、橘菊太郎劇団、劇団花吹雪、などがお気に入り。
現代演劇で最大のお気に入りは花組芝居。その他、大中小気になった劇団を観に行きます。
日本舞踊のお稽古をしています。
たまに着物や歌やゲーム(DQ,FF)の話題も。
連絡先 e_yassie@yahoo.co.jp
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光田康典
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藪原検校
2012年07月02日(月) 18:40:20
世田谷パブリックシアター
6/29

出演:
  野村萬斎/秋山菜津子/浅野和之/小日向文世
  熊谷真実/山内圭哉/たかお鷹/大鷹明良
  津田真澄/山﨑薫/千葉伸彦

拍手[1回]


なんかすごい芝居だったなぁ。

人間の欲があからさまで、残酷で、だけどあっけらかんとした明るさもあって。
うん、よく笑った。

萬斎さんの藪原検校は、華奢な体つきや歩き方、顔の表情などが、怖さよりもコミカルさを感じさせるものだったように思う。稀代の大悪党だけど、自分の欲に素直で悪びれたふうに観えない。
でも母親のことは慕っていたなぁ。母のことを悪く言われて、「母さんは器量良しだ」と言いながら縋ったのは本心だと思うのだけど。目が見えない杉の市にとっては、優しい母親は器量良しなんだなと思うとじぃんと来る。

源平の戦いを白餅と黒胡麻餅になぞらえての早語りは、面白かった!
中身は言葉の洒落遊びで、魚説教とか四季三番草みたいな感じ。
これはさすがの萬斎さん、本領発揮。
語り口の良いのはもちろん、身振り手振りも交えた楽しいパフォーマンス。踊ったり歌ったり。
ムーンウォークみたいのしてなかった?えぇーっ
森進一の真似もしてなかった??びっくり笑ったよー。萬斎さん、コロッケさんの物まねが好きだもんね。
拍手喝采、でした!

お市との逢引きの場面は、なかなか衝撃的で。
まさか、萬斎さんがそんなこと!まぁっなんて生々しい~。って思ったさ。
秋山菜津子さん、色っぽくてとても素敵だった。足がイイよ~。

小日向文世さん演じる塙保己一とのやり取りは、いろいろ考えさせられた。
学と品格を重視して盲人の地位を高めようと努力する保己一と、金で位を買って登りつめようとする杉の市。
お互い、歩む道は違うけど、互いをきちんと認め合っていたんじゃないかと思う。
2人、頭を寄せ合って声を立てて笑った瞬間は、2人が分かり合って心が通じた時なんじゃないかと思ったのだけど。
でも、保己一が提案した藪原検校の処刑方法は、なんであんなに残酷な方法だったのだろう?
「花道の花向け」という言葉が本当なら、杉の市の為と思っての提案だろうし。
「人々の抱える不満を発散させるための見せしめ」というのも、考え様によっては杉の市の存在を世の中を大きく動かす役に立てたとも取れるし。華々しい最期じゃない?

どうなんだろうなぁ。保己一は藪原検校のことをどう思っていたのか。
せっかく、盲人の地位を高めようと地道に努力してきたところへ、罪を犯して盲人の評判を貶めた藪原検校のことを恨む気持ちもあると思う。
けど、私は、保己一は藪原検校を同志として認めていたということにしておきたい。


舞台に張られた赤い紐は、まるで人の体から引っ張り出したはらわたのようだった。
同じ赤い紐が天井からもぶら下がっていて、杉の市が人を殺すたびにその紐が増えていったのが象徴的だった。

藪原検校の処刑を祭りにして、それが残酷であればある程、民衆の日頃の不満を発散させられ、残りの日々をつつましやかに暮らすことができる。
ハレとケの概念。井上ひさしさんのお芝居ってよくこういうのが出てくるような気がする。
最近って娯楽が増えすぎてハレとケの境目がなくなってきてるよねーって、ちょっと前から思ってる。
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コメント
おじゃまします。
あぁ~これ観たかったんだぁ。
萬齋さま初め小日向さんとか好きな役者さんそろってたし
なにしろ藪原検校だし。

やっぱり面白かったんですね。

> まさか、萬斎さんがそんなこと!まぁっなんて生々しい
~。

なんて、気になる(笑)

レポ読ませてもらって妄想走らせます(笑)
ブーブー 2012年07月03日(火)00:02:50 編集
>ブーブーさん
骨太というか、しっかりして見ごたえのあるお芝居でしたよ!1回ぽけーっと観ただけでは気付かない深い魂もありそうなお芝居。
テレビでの放送とか、あるといいんですが。
でも生で観るのがやっぱり一番ですよね!

妄想、してください(笑)私もあからさまに書けません(^^;
手押し車が、いちばん衝撃だったかなぁ~。
波華@管理人 2012年07月04日(水)13:55:08 編集
こんばんは

籔原検校!
初演を見ているというワタクシ(笑)

キャストは杉の市=高橋長英、お市=太地喜和子、塙保己一=財津一郎。
♪…のもうじゃ やぶはらけんぎょー♪という、テーマ曲の最後の歌詞が、今でも頭の中に残ってます。
ストーリーはほとんど忘れましたが、杉の市の野卑さ、哀しさ、身体能力の高さ(笑)、保己一の非情さ、太地さんのエロチックさ、覚えているのはそんなとこかな?
みんな底知れない闇を持っていると感じた記憶が。
杉の市と保己一は表裏一体というか、コインの両面かも?

例の(!?)のシーンも覚えてますよ(笑)
その終わりに師匠が「かなしい話だねぇ」って言いませんでしたっけ?うろ覚えですが、客席が爆笑した記憶が。

萬斎さんの杉の市、見てみたかったです。
太地さんの大大大ファンなので、お市は譲れないかもですが(笑)
moto 2012年07月04日(水)19:34:10 編集
>motoさん
初演を観ているんですか~!それは貴重ですね。
高橋長英さん…知らない方です(涙)

師匠の「かなしい話だねぇ」っていうの、何となく(笑)覚えてます。師匠が盲人なのを良いことに、同室でいろいろやっちゃってましたね。

藪原検校はいろんな人が演じていますよね。ちょっと前に古田新太さんもやっていたような。それもどんなだったのか、気になります。

今後も、いろんな役者さんに演じられていくのでしょうね。
波華@管理人 2012年07月05日(木)14:28:51 編集

初めましての方はぜひ自己紹介を。
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