――ファンタズマゴリア――
走馬灯のように 次々と移ろいゆく 幻想の中で
プロフィール
管理人:波華
観劇好き。主に狂言、歌舞伎、日本舞踊、大衆演劇、落語などをよく観ます。大蔵流茂山千五郎家、尾上菊之助さん、中村勘九郎さん、尾上菊之丞さん、橘菊太郎劇団、劇団花吹雪、などがお気に入り。
現代演劇で最大のお気に入りは花組芝居。その他、大中小気になった劇団を観に行きます。
日本舞踊のお稽古をしています。
たまに着物や歌やゲーム(DQ,FF)の話題も。
連絡先 e_yassie@yahoo.co.jp
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花組芝居「かぶき座の怪人」
2007年04月14日(土) 03:09:14
ただ、個人的に体が疲れていたから?今まで観たお芝居に比べるとちょっと盛り上がれなかった気もする。
ストーリーがしっかり作りこまれているから、逆に盛りだくさんで焦点がぼやけたのかなぁ。
けど、後から思い返すとしみじみ面白さが沸いてきました。後になって、あーあれはネタだったんだなと気付いたことがたくさんあったり、あのシーンもう一回見たいなぁと思ったり。
うん、やっぱりもう一回観たかった。今度こそ、2回観に行くぞ。
劇中の役名の殆どが、百人一首を元にしているのが面白いですね。
加納幸和さんの九重八重子は有名な「けふここのえににほひぬるかな」だし。
植本潤さんの色出しのぶは「しのぶれど いろにいでにけりわがこひは」だし。
認知度低そうなところでは、各努立基さんの小倉山峰三は「おぐらやま みねのもみじばこころあらば いまひとたびの みゆきまたなん」かな。
普通の日本人にとって、百人一首ってどれくらい一般常識なんだろう?
私は幸い小学生のときに親に買い与えられて以来慣れ親しんでいるけど、そうでなければ国語の授業で2つ3つ習うものしか知らないものなのかな。知りたい。
オープニングは、「欲望という名の列車」を元ネタにした「欲望列車」のシーンから。ブランチ役の九重八重子を演じる加納さんは白のロングドレスですらっとスリムで美しい~
ブランチの周りを、ピンクのフラミンゴのコスチュームを着た男たちが踊っていました。このコスチュームがなんだか笑えた!コントじゃねーかって感じの面白い格好で。出だしからインパクト強烈でした。
かぶき座の怪人は、チラシのとおり京鹿子娘道成寺をそのままコピった感じの格好でした。着物は本衣装のモノクロバージョン。ここが面白いね。本当は色鮮やかな衣装に白塗りなのに、モノクロになってることでそこだけ照明が当たっていないような、現世と隔たっている印象を与えるから。
この怪人の衣装、ストーリーが進むにつれて、娘道成寺と同じように衣装が変わっていってたのが面白かったなぁ。踊りも、娘道成寺の振りを真似つつダンスを取り入れていたんですよね。もとの踊りを知ってるから、これも楽しめました。
そうそう、途中、引抜きもあったんだよー。しかも引抜くと、下も脱げて裸に帯ステテコだけに(笑)笑ったよー
植本潤さんの色出しのぶが、なんだかクレイジーなキャラクターで面白かったなー笑ったなー。恋多き女として描かれてましたけど、九重八重子に恋人を取られてキーっとなってたり、歌舞伎役者の乱十郎の息子と熱愛して「なしえんの妻になる」って言って梨の籠を担いで「りえんだよ」って突っ込まれてたり。
それにしても、なんでキューティーハニーみたいなピンクの鬘つけてるんだろうと思ってました。劇中で、歌舞伎役者の乱十郎の息子と熱愛したあとに破局してたんだけど、要するにワイドショーネタのパロディだったのね。ついこの間ニュースになってましたよね。時期的にはタイムリーだよねぇ。
同じカップルで「愛の鬼界が島」という映画にも出演してました。愛ルケっすね。しかもしのぶは寺島しのぶとかぶる…。
あと、けっこうお気に入りの美斉津くんと堀越涼くんの2人。いいコンビだねぇ。
美斉津くんは九重八重子に取材する台湾の記者。堀越涼くんは女形の歌舞伎役者。なぜか二人で怪人の正体を暴こうと、探偵ごっこしてました。なんか知らないけど、美斉津くんはアライグマの着ぐるみ、堀越くんは小学生の女の子の格好でコックリさんしてたぞ。堀越くん可愛かったな~!あと歌舞伎のお稽古では典型的な女形役者ってカンジできゃぴきゃぴしていてこれも可愛いんだな。どうするよ!こんなに可愛くて。
あと、気になったこと。マジチュー多すぎじゃね?
えっと、女役やっててもみんな男なんですけど。別に良いけどそこに面白さを求められてもな、と思いました。九重八重子がいろんなひととチューしすぎなんだな。
新人の谷山くんと研修生の二瓶くんの二人がホールの裏方をやってるスタッフの役で、なんでかよく分からないけど二人がチューして、しかもいい感じになってしまってました。
役の上でも男同士ですが…。
この二瓶くんがねぇ、可愛い子なんだよー。女形って感じではないけど、ホントに綺麗な顔のかわいい少年風で。これからが楽しみだね。
入座披露は、口上挨拶は特に無く、ダンスシーンに突然挿入されてきました。名前を書いた立て看板で紹介する形。谷山知宏さんと、丸川敬之さんの2人です。丸川さんは加納さんの恋人役もやっていて、新人なのにいい役ですよね。でも花組芝居って、もともと新人をかなりよい役に就かせてくれる劇団のような気がします。このあいだの百鬼夜行抄だって、律と司ちゃんを入座したての美斉津くんと堀越くんのナイスコンビが演じてたわけだし。
劇中で「姥が池」という歌舞伎を演じる稽古のシーンがあって、なかなか面白かったけれど、やっぱりまともに歌舞伎をやろうとすると技術的に未熟なのが目に付いちゃうよねー…。と思いました。
花組芝居のいいところは、歌舞伎の手法を取り入れつつも、自分たちが得意な演劇手法やダンスや歌に転換しちゃうところなんだよね。そうすれば、歌舞伎の手法が十分に身についていなくても、それがカモフラージュされるから、より面白いものとして見えるんだよね…。
怪人の娘道成寺ダンスも、元々の娘道成寺の振りを取り入れたダンスになっていて面白かったけれど、私は本来の踊りを知っているから、その所作の貧弱さがどうしても目に付いちゃったな…。もっとダンスっぽくして思い切って別物に見えるくらいにアレンジしてしまったら、もっと良くなったかも。
なーんて、私なんかが言うまでもなく、加納さん自身が「そのままでは歌舞伎役者には適わないから、体が出来ていなくてもできることをたくさん取り入れるようにしている」と言ってました。
そう考えると、歌舞伎役者って凄いよねぇ。長く厳しい稽古によって、難しいことを当たり前にできるようになってるんだから。並の人間には、どう頑張っても真似できない。
結局、恋助は父である歌舞伎役者の恋寿と九重八重子の間にできた不倫の子ってことだったわけですね。九重八重子は熱海で事故で死んだ後に幽霊として帰ってきて、欲望列車の千秋楽を務め、恋助に歌舞伎の稽古をつけて消えていったということですね。
歌舞伎の稽古の場面、やっぱり加納さんの動きはすごい。体がだいぶできてる!歌舞伎の演技にあまり違和感が無い。いやー惚れ惚れするなー。よっぽど歌舞伎好きなんだろうなぁ。昔からたくさんお稽古してきたんだろうなぁ。加納さんの舞踊を何かひとつ、観てみたい気分。
はー面白かった。
今年一年間、花組芝居祭りになりそうな予感。
今後の公演スケジュールは…以下のとおり。仮名手本忠臣蔵だってー!!
◆花組ヌーベル 「恐怖時代」
7月6日~9日 下北沢ザ・スズナリ
◆ハナオフ 「ザ・漱石」
8月29日~9月2日 下北沢『劇』小劇場
◆KANADEHON忠臣蔵
世田谷パブリックシアター 11月30日~12月9日
そうそう、チラシの中に伝統の現在ダッシュのチラシを発見。
…もう、ダッシュには期待すまいと覚悟してるんですけど。最近のダッシュは本当に面白くなかったんだもの!
でも、今度は千五郎さんが出るんだよね~だからちょっとは風向きが変わるんじゃないかと。と言うことで観に行きます。
公演名 伝統の現在 ’(ダッシュ)5 「いつでも夢を」
公演期間 2007年5月22日(火) ~ 2007年5月23日(水)
開演時間 19:00(両日)
劇場 国立能楽堂
演目・主な出演者 新作 「いつでも夢を」茂山千五郎 他
狂言 「棒縛」茂山宗彦(22日)茂山正邦(23日)
等級別料金 S席 6,000円 A席 5,000円 B席 4,000円 学生席 3,000円(森崎事務所のみ取り扱い)
お問い合わせ先 森崎事務所 03-5475-3436
あっもうチケット発売してるじゃん
ストーリーがしっかり作りこまれているから、逆に盛りだくさんで焦点がぼやけたのかなぁ。
けど、後から思い返すとしみじみ面白さが沸いてきました。後になって、あーあれはネタだったんだなと気付いたことがたくさんあったり、あのシーンもう一回見たいなぁと思ったり。
うん、やっぱりもう一回観たかった。今度こそ、2回観に行くぞ。
劇中の役名の殆どが、百人一首を元にしているのが面白いですね。
加納幸和さんの九重八重子は有名な「けふここのえににほひぬるかな」だし。
植本潤さんの色出しのぶは「しのぶれど いろにいでにけりわがこひは」だし。
認知度低そうなところでは、各努立基さんの小倉山峰三は「おぐらやま みねのもみじばこころあらば いまひとたびの みゆきまたなん」かな。
普通の日本人にとって、百人一首ってどれくらい一般常識なんだろう?
私は幸い小学生のときに親に買い与えられて以来慣れ親しんでいるけど、そうでなければ国語の授業で2つ3つ習うものしか知らないものなのかな。知りたい。
オープニングは、「欲望という名の列車」を元ネタにした「欲望列車」のシーンから。ブランチ役の九重八重子を演じる加納さんは白のロングドレスですらっとスリムで美しい~
ブランチの周りを、ピンクのフラミンゴのコスチュームを着た男たちが踊っていました。このコスチュームがなんだか笑えた!コントじゃねーかって感じの面白い格好で。出だしからインパクト強烈でした。
かぶき座の怪人は、チラシのとおり京鹿子娘道成寺をそのままコピった感じの格好でした。着物は本衣装のモノクロバージョン。ここが面白いね。本当は色鮮やかな衣装に白塗りなのに、モノクロになってることでそこだけ照明が当たっていないような、現世と隔たっている印象を与えるから。
この怪人の衣装、ストーリーが進むにつれて、娘道成寺と同じように衣装が変わっていってたのが面白かったなぁ。踊りも、娘道成寺の振りを真似つつダンスを取り入れていたんですよね。もとの踊りを知ってるから、これも楽しめました。
そうそう、途中、引抜きもあったんだよー。しかも引抜くと、下も脱げて裸に帯ステテコだけに(笑)笑ったよー
植本潤さんの色出しのぶが、なんだかクレイジーなキャラクターで面白かったなー笑ったなー。恋多き女として描かれてましたけど、九重八重子に恋人を取られてキーっとなってたり、歌舞伎役者の乱十郎の息子と熱愛して「なしえんの妻になる」って言って梨の籠を担いで「りえんだよ」って突っ込まれてたり。
それにしても、なんでキューティーハニーみたいなピンクの鬘つけてるんだろうと思ってました。劇中で、歌舞伎役者の乱十郎の息子と熱愛したあとに破局してたんだけど、要するにワイドショーネタのパロディだったのね。ついこの間ニュースになってましたよね。時期的にはタイムリーだよねぇ。
同じカップルで「愛の鬼界が島」という映画にも出演してました。愛ルケっすね。しかもしのぶは寺島しのぶとかぶる…。
あと、けっこうお気に入りの美斉津くんと堀越涼くんの2人。いいコンビだねぇ。
美斉津くんは九重八重子に取材する台湾の記者。堀越涼くんは女形の歌舞伎役者。なぜか二人で怪人の正体を暴こうと、探偵ごっこしてました。なんか知らないけど、美斉津くんはアライグマの着ぐるみ、堀越くんは小学生の女の子の格好でコックリさんしてたぞ。堀越くん可愛かったな~!あと歌舞伎のお稽古では典型的な女形役者ってカンジできゃぴきゃぴしていてこれも可愛いんだな。どうするよ!こんなに可愛くて。
あと、気になったこと。マジチュー多すぎじゃね?
えっと、女役やっててもみんな男なんですけど。別に良いけどそこに面白さを求められてもな、と思いました。九重八重子がいろんなひととチューしすぎなんだな。
新人の谷山くんと研修生の二瓶くんの二人がホールの裏方をやってるスタッフの役で、なんでかよく分からないけど二人がチューして、しかもいい感じになってしまってました。
役の上でも男同士ですが…。
この二瓶くんがねぇ、可愛い子なんだよー。女形って感じではないけど、ホントに綺麗な顔のかわいい少年風で。これからが楽しみだね。
入座披露は、口上挨拶は特に無く、ダンスシーンに突然挿入されてきました。名前を書いた立て看板で紹介する形。谷山知宏さんと、丸川敬之さんの2人です。丸川さんは加納さんの恋人役もやっていて、新人なのにいい役ですよね。でも花組芝居って、もともと新人をかなりよい役に就かせてくれる劇団のような気がします。このあいだの百鬼夜行抄だって、律と司ちゃんを入座したての美斉津くんと堀越くんのナイスコンビが演じてたわけだし。
劇中で「姥が池」という歌舞伎を演じる稽古のシーンがあって、なかなか面白かったけれど、やっぱりまともに歌舞伎をやろうとすると技術的に未熟なのが目に付いちゃうよねー…。と思いました。
花組芝居のいいところは、歌舞伎の手法を取り入れつつも、自分たちが得意な演劇手法やダンスや歌に転換しちゃうところなんだよね。そうすれば、歌舞伎の手法が十分に身についていなくても、それがカモフラージュされるから、より面白いものとして見えるんだよね…。
怪人の娘道成寺ダンスも、元々の娘道成寺の振りを取り入れたダンスになっていて面白かったけれど、私は本来の踊りを知っているから、その所作の貧弱さがどうしても目に付いちゃったな…。もっとダンスっぽくして思い切って別物に見えるくらいにアレンジしてしまったら、もっと良くなったかも。
なーんて、私なんかが言うまでもなく、加納さん自身が「そのままでは歌舞伎役者には適わないから、体が出来ていなくてもできることをたくさん取り入れるようにしている」と言ってました。
そう考えると、歌舞伎役者って凄いよねぇ。長く厳しい稽古によって、難しいことを当たり前にできるようになってるんだから。並の人間には、どう頑張っても真似できない。
結局、恋助は父である歌舞伎役者の恋寿と九重八重子の間にできた不倫の子ってことだったわけですね。九重八重子は熱海で事故で死んだ後に幽霊として帰ってきて、欲望列車の千秋楽を務め、恋助に歌舞伎の稽古をつけて消えていったということですね。
歌舞伎の稽古の場面、やっぱり加納さんの動きはすごい。体がだいぶできてる!歌舞伎の演技にあまり違和感が無い。いやー惚れ惚れするなー。よっぽど歌舞伎好きなんだろうなぁ。昔からたくさんお稽古してきたんだろうなぁ。加納さんの舞踊を何かひとつ、観てみたい気分。
はー面白かった。
今年一年間、花組芝居祭りになりそうな予感。
今後の公演スケジュールは…以下のとおり。仮名手本忠臣蔵だってー!!
◆花組ヌーベル 「恐怖時代」
7月6日~9日 下北沢ザ・スズナリ
◆ハナオフ 「ザ・漱石」
8月29日~9月2日 下北沢『劇』小劇場
◆KANADEHON忠臣蔵
世田谷パブリックシアター 11月30日~12月9日
そうそう、チラシの中に伝統の現在ダッシュのチラシを発見。
…もう、ダッシュには期待すまいと覚悟してるんですけど。最近のダッシュは本当に面白くなかったんだもの!
でも、今度は千五郎さんが出るんだよね~だからちょっとは風向きが変わるんじゃないかと。と言うことで観に行きます。
公演名 伝統の現在 ’(ダッシュ)5 「いつでも夢を」
公演期間 2007年5月22日(火) ~ 2007年5月23日(水)
開演時間 19:00(両日)
劇場 国立能楽堂
演目・主な出演者 新作 「いつでも夢を」茂山千五郎 他
狂言 「棒縛」茂山宗彦(22日)茂山正邦(23日)
等級別料金 S席 6,000円 A席 5,000円 B席 4,000円 学生席 3,000円(森崎事務所のみ取り扱い)
お問い合わせ先 森崎事務所 03-5475-3436
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