「喪服の似合うエレクトラ」観ました

昨日観てきました。
とても面白かったです。長い上演時間もあっという間でした。
ただ、ギリシャ悲劇が元になっているだけあってテーマが重く、暗い気持ちになってしまいましたけれど。

それにしても、新国立劇場って全体的にリッチな作りですよねぇ。
時期的にクリスマス色も強くなって来ているので、明るくてきらびやかでなんだか新鮮に感じたなぁ。

私の席は1階席最後列でセンター。距離は遠くて表情までは見えなかったけれど、観やすい場所だったと思います。

ギリシャ悲劇はたいてい、復讐に次ぐ復讐、因果応報が盛り込まれているのかなぁと思うんですが、ギリシャ悲劇をモチーフにしたこの舞台も、見ていて恐ろしくなるような憎悪に満ちた展開で、観ていてどきどきとしてしまいました。
冒頭の母と娘の応酬では、ひとつの出来事をお互い自分は全くもって正当で悪いのは全て相手であるように話すので、「藪の中」みたいだと思いました。
一番恐ろしいのは、自分を正当化するために相手を悪者にしてしまおうという計算が働いているのか、それとも自分が本当に正しいと信じ込んでいるのかが分からないところ。だから誰が悪いのかがわからない。

役者さんについて。
大竹しのぶさんの演技は前々から観たいと思っていました。評判どおり、テレビで見るのとは全然違う。役の年齢は実年齢より相当若いと思うけれど充分若い娘に見えた。あの小柄な体から、凄まじいエネルギーのこもった台詞が出てくるんだから驚きです。かなり圧倒されました。
この日の夜は大竹しのぶさんの甲高い声が耳に残って、眠るまで離れなかったもんな（笑）
堺さんは実は一幕目には出てこず、二幕目からの登場。
あーなんか可愛いなー。
母親に相当甘やかされて育ったらしいので、軽くマザコン入ってます。膝枕で甘えてたし。また、劇中で唯一笑いを誘う役でもありました。
戦争の前線で多くの仲間の死に直面したため、精神的に不安定になっている様が狂気的に見えました。沖田とも山南さんとも違うキャラ。脆くて危なっかしい感じに常にハラハラさせられました。
そういえば生で見るの初めてだ…と思ったら、ちょっとどきどきしてしまいました。
あと吉田コータローさんとか。
「オイディプス王」「ハムレット」に引き続きですね。相変らず存在感ある人です。

感想はこんなもんで。
中途半端だな…

ところで、堺さんは次の公演も決まっているみたいですね。チラシが入ってました。これからは劇場での活動が続くんでしょうか。