――ファンタズマゴリア――
走馬灯のように 次々と移ろいゆく 幻想の中で
プロフィール
管理人:波華
観劇好き。主に狂言、歌舞伎、日本舞踊、大衆演劇、落語などをよく観ます。大蔵流茂山千五郎家、尾上菊之助さん、中村勘九郎さん、尾上菊之丞さん、橘菊太郎劇団、劇団花吹雪、などがお気に入り。
現代演劇で最大のお気に入りは花組芝居。その他、大中小気になった劇団を観に行きます。
日本舞踊のお稽古をしています。
たまに着物や歌やゲーム(DQ,FF)の話題も。
連絡先 e_yassie@yahoo.co.jp
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勘九郎最後の番組
2005年02月24日(木) 17:48:12
火曜深夜の「中村勘九郎 特別な二人」(フジ)と、水曜深夜の「大当たり 中村勘九郎劇場」(NHK-BS2)を見ました。
どちらの番組も、今回が最終回だそうです。
勘九郎としての最後の時期に、芝居のこととかいろいろ話す場として番組を作ったらしいですね。
同じような目的で国放と民放の両方に番組を持っちゃうなんて、凄いよね。
どちらの番組も、今回が最終回だそうです。
勘九郎としての最後の時期に、芝居のこととかいろいろ話す場として番組を作ったらしいですね。
同じような目的で国放と民放の両方に番組を持っちゃうなんて、凄いよね。
「特別な二人」の方は、ゲストが渡辺えり子と大竹しのぶ。
「勘九郎劇場」にも出演したことのある二人なので(渡辺さんはレギュラーだし)、一部重複する話もあったけれど、面白いエピソードがたくさん飛び出してすごく楽しかった。
見ていてこの3人はとても仲が良くて、いくらでも面白い話が出てくるし、さらに舞台人としてお互いを信頼しあっているのがわかっていいなぁ、と思う。
大竹しのぶさんと勘九郎さんは、1977年に舞台で初共演したとか。当時お二人は20歳と22歳。そのときから大竹しのぶさんは女優としての才能を発揮していて勘九郎さんは度肝を抜かれたとか。
渡辺えり子さんと勘九郎さんとの交友はもっと後かららしい。でも、今ではえり子さんが勘九郎さん最後の舞台の脚本を書くくらいの仲だもんね。
何でも、えり子さんと勘九郎さんが新橋演舞場で「浅草パラダイス」を上演していたときに、本番中にえり子さんが突然両足に肉離れを起こし、動けなくなってしまったとか。
「新橋演舞場の花道を車椅子で入っていった女優なんて、アナタくらいのもんだよ」と言ってお互いが爆笑。
その話を聞かされたあとに、十二月大歌舞伎の「今昔桃太郎」のVTRを見せられたので、太って動けない勘九郎さんが車に乗せられて花道を入場する演出は、かつてのえり子さんのパロディなんじゃないかって気がしてきました。
その可能性も、あると思いませんか?何てったって脚本書いた本人の体験なんだから。
なーんか、こんな風に仲のいい友人同士、思い出話しながら笑いあっているのを見ているだけでも楽しい。
いいモン見させてもらいました。
番組最後には、お練と襲名の祝賀パーティと挨拶回りの様子を少しだけ、あと3月5日(金)19:00-(フジ)のスペシャル番組の番宣も。
見るものがいっぱいあってウレシ困った~
昨日深夜には「中村勘九郎劇場」。
今回は第13回で最終回で、私は11回と12回しか観たことが無いんですが、これって2年前からやっている番組だそうですね。
今回の総集編を観て、よくもまぁ、毎回大物ゲストをよんでいろんな試みをしてきたんだなぁと感心。
志村けんとか、三輪明宏とか、長嶋茂雄とか、大竹しのぶとか、津川雅彦とか……
こうして見ると、12回に呼ばれた香取くんが随分浮いて見えますな(^^;
興味深い話もいっぱいあって、感心しきり。
一番感銘を受けたのは、大竹しのぶさんの話。これは、実は「特別な二人」でも同じ話を聞かせてくれたんだけど。
ギリシャのアテネで2500年前に作られたもっとも大きい野外劇場を観に行ったとき、この劇場は元は病院だった、と教えられたという。
なぜ病院に劇場があるのか?と言うと、お医者さんが患者さんの症状にあわせて「この人には悲劇を見せよう」「この人には喜劇を見せよう」「この人には音楽を聞かせよう」と舞台を見せたり音楽を聞かせたりして、それでも良くならなかったら、最後の手段としてメスを使った治療をしていたのだと言う。
これ、ほんっといい話。びっくりした。泣きそうになった。
紀元前の話だよ?ギリシャって凄い。芸術って凄いと思った。
私たちって、そういう、人を癒すということができるんだ、と大竹しのぶさんがしみじみ言っていたのも印象的でした。
人を憎んで人を殺すギリシャ悲劇なんて、なんでこんなのわざわざ演劇にして上演するんだろう?って思ってたけれど、そういう人の憎しみを見ることで血が駆け巡るし、劇の中で見ていれば現実に人を殺したりしなくなるし、とも言っていました。
私、この間「喪服の似合うエレクトラ」を観てめちゃめちゃ凹んだけれど、あるいみ効果があったのかな。
他にも色んなゲストが面白い試みをしていてね~。
例えば志村けん。「助六」の揚巻になってました。勘九郎さんは白玉に。
「バカ殿でもここまで白くしないよ」とか言ってましたね。見事な変身振り。近くで見るとやっぱりしわが分かっちゃうけど、ちょっと遠めで見たら随分綺麗だったろうな。あの重い衣装も良く身に付けたよね~。しかもその格好でNHKの廊下歩き回ってんだもん(笑)楽屋の鍵を管理してるにーちゃんが「どちら様ですか」って聞いてたよ(笑)
それから、渡辺えり子さんと大竹しのぶさんが歌舞伎の型を実演するってのもありましたね。二人が舞台から花道へ逃げようとするんだけど悪霊の力で引き戻されるという型とか。周りを囲んでいる男たちをにらんだらとんぼ返りで次々倒れていくところとか。
一番嬉しかったのは、渡辺えり子さんと津川雅彦さんが作詞した端唄「花火」の実演ですね~
作調が田中傳左衛門さん、振付が藤間勘十郎さんという豪華な演出でねぇ~傳左衛門さんは実演の時に囃子方に居てくれたしね!うわーい傳左衛門さんだよ~!
普段は黒御簾の内で見えない楽器をいろいろ目に出来たのも面白かったよ~多分夜を表す効果音だと思うんだけど、静かに太鼓を「ドンドンドン…」と鳴らすところって、普段歌舞伎の舞台じゃ目に出来ないモンね。
立方はもちろん勘九郎さん。勘九郎さんの素踊りも見られて良かった。けど畳だったからすべりが悪かったのか、足の運びがなんか変な感じ。ってことは座敷舞はみんなあんななのかなぁ?とちょっと不思議に思いました。
もう一個、すっごい賛同したのが、三輪明宏さんが語ってくれた三島由紀夫の言葉。
「芸術は理屈じゃない。絵でも芝居でも音楽でも、説明や補足が必要なものは芸術じゃねぇ。」
全くその通り!!そりゃそうだ!ってか当たり前だよ!
芸術は右脳の感性に訴えるものなんだから。左脳に関わる理論がどうして要るんだって話だよ。
いい番組だったんだね、この番組。
もっと前から見ていれば良かったよ~!
勘三郎になったら、またこういう番組をやったりするのかな。やって欲しいな。
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