六月大歌舞伎 昼の部 初日

初日の昼の部を観てきました。
次の日の朝に金太郎くん初舞台の様子がテレビに流れていたらしく、「観に行ったの？」とさんざん聞かれましたが、残念ながら私が観に行ったのは夜の部ではなく昼の部です(汗)

「正札附根元草摺」
「双蝶々曲輪日記」角力場
「蝶の道行」
「女殺油地獄」

◆「正札附根元草摺」
松緑さんは堂々としていて良かったけれど、魁春さんって実は上がり症なのか…？と思えてしまいました。すんごく緊張しているように見えたので。ある意味目が離せなかったです（－－；


◆「双蝶々曲輪日記」角力場
通しの芝居のここだけ見てもよく分かんないねー。しかたないけど。
染五郎さんのナヨナヨ若旦那がらしくなくて笑えた～。
吉右衛門さんが若々しくて素敵でした！


◆「蝶の道行」
ブラックライトで蛍光に光る大きな蝶、牡丹や百合や紫陽花が大きく書かれた書き割りがとても現代的。比較的新しい作品ですよね、確か。
梅玉さんはなんだか良いですね。華やかに目立つタイプの方じゃないと思うんだけど、親しみやすくて安心感があるというか。お父さん、みたいな(笑)この演目にふさわしいかはわかんないけど。
最後の幕切れの型が良かったなぁ～。先にこと切れて倒れた梅玉さんの上に、膝立ちから後ろ向きに海老反りで重なり合う。美しい、絵になる最後でした。


◆「女殺油地獄」
有名な外題なのに、ちゃんと芝居で観たのは初めて。
最後の凄惨な殺しの場面がよく語られるので、どんなオドロオドロしいお話かと思ったら、前半はかなり軽い印象でちょっと驚き。仁左衛門さん演じる河内屋与兵衛、仕事が嫌いで遊び呆けている放蕩息子、お調子者で喧嘩っ早くて楽天的で、こんな軽いキャラクターなんだ、というのが意外でした。そんなおカルイ人物像がなんだか可愛らしかったけどね（＾＾）

油で二人とも滑って転びながらの殺しの場。転んでしまう図が滑稽に見えるのだけど、笑えない場面で笑わせて、そんな客のあさましさを露呈させたかったのか、それとも笑える要素を殺しで封じてしまおうという意図があったのか、どっちなんだろう？と思いながら観てたんですが、ぶっちゃけ近松って悪趣味だなーとも思ったわけで。