今月の幕観 京鹿子娘二人道成寺 13日

友人を連れて、幕観へ。
何と、演出が戻ってしまったところが一箇所あり。
なんで元に戻しちゃったんだろー

赤振袖に烏帽子と中啓の部分、乱拍子のところの謡です。
聞く所によると、初日の幕が開いてからは、「みちなりの」からの謡を菊之助さんと玉三郎さんが2人で同時に謡っていたそうですが、10日には菊之助さん→玉三郎さんと少しずらして謡い始めるカノン形式？の演出に変わっていました。なので私が観た11日もカノン形式。
それが今日観てみると、また同時に謡う演出に戻っているではないか。これまた聞く所によると12日に同時に謡う演出に戻ったらしいんですね。
なんで戻しちゃったんだろう。ずらして謡うほうが、実体とそれに寄り添う影という感じが出て良かったのに。エコーみたいで。なんで？なんで？
これまた、数日経ったら変わったりするのかな～うーん。

総評。
やっぱFirst Impressionの威力って強いんでしょうか。一昨日見たときに感じた不思議さは少し薄れてしまい、とても残念。私自身の感性の問題でしょう。
その分冷静に観られたと思います。
道行は立って観たので、この間よりはよく観えたかな。それでもすっぽんは全く見えないけど。
道行でも結構二人でいちゃいちゃしていたのね。やっと気付きました。
クドキの時のやり取りは、
「あらお止しになって(イヤイヤ)」「いいえダメよ大人しくなさい(ダメダメ)」
みたいな感じに見えて、やっぱりやらしい。
もの凄い妄想モード(笑)
ホントに、一体二人は何をしているの？二人はどういうつもりで踊っているの？

菊ちゃんが寺にやってきて坊さんとやり取りするときの声は、娘らしく可愛い声なんで、はぁ～菊ちゃん可愛いわ～とか思いながらうっとり聴いてるんですが、烏帽子を受け取るところ、謡のところは様式的な腹に力の入った声に変わりますね。ちょっと男モード(笑)その方が厳粛な儀式的雰囲気が出ていいんだけど、玉三郎さんに比べるとちょっと力みすぎかなーと思いました。

その後の、「鐘に恨みは数々ござる」あたりかな、中啓がひらひらと舞うところの扇の動きが見事なのよね。美しい…！まるで扇が生きているよう。
これが、菊ちゃんと玉さまの動きが同質で遜色ないんだな。これだけ先輩後輩なら優劣ありそうな気もするけれど、どちらも綺麗に扇がひらひら舞って見える。菊ちゃんがよっぽど頑張ったんだなぁと思います。
でも、振出し傘の扱いは菊ちゃんよりも玉さまの方が上手かったと思います。NHKで観たのと比較すると。

クドキの後の三味線と囃子の掛け合いが好きです。
テンポは早いし手数もめっちゃ多いのによくぴったり合うなぁ。聴いていて気持ちよくって仕方ありません。
大鼓と小鼓が超高速で交互に打ち合うところとか。傳左衛門さん素敵～♪
小鼓一調と三味線一竿の掛け合いも見事。ただ一箇所だけ、三味と傳左衛門さんが微妙に合わない所があるんだな。一昨日も同じ箇所が会わなかったような気がする。NHKで観たときもどこか一箇所が合ってなかった。他の箇所はばっちしぴったし合うのに。なんでだろ？

あーなんだかCDが欲しくなった。こういうの。
長唄 芳村伊十郎/京鹿子娘道成寺芳村伊十郎(七代目) 松島庄三郎 冨士田新蔵