二月大歌舞伎夜の部

うう～今日は雨も降って寒かった！

今日は勝どきで昼食を食べた後、東銀座で徒歩で移動。だいたい20分くらい。
途中、大きな教会のような建築物があったので何だろうと思ったら、築地本願寺でした。
オドロキ！あんなでっかくて近代的な寺ってあるの！？
あまりに西洋的で有り難味に欠けるような気がしてしまいました。

今日は3階A席で鑑賞。

ぢいさんばあさん
いや～いいお話でした。要所要所でうるっと来ました。
まず、若いころの伊織とるんの場面。
仁左衛門さんがなんかすごくイイ男に見えました。体が細いですよね。とっても色っぽく見えました。緑色の着物も割りと珍しい柄で、目を引きましたね。
菊五郎さんとの仲睦まじい夫婦の様子も微笑ましく、時々笑いを誘っていました。
次の京都での宴会の場。これって鴨川の納涼床なんでしょうか？筋書きを読んでないので分からないのですが。
下嶋めちゃめちゃムカつくな！斬られて当然じゃ～！
でも、それよりも私は、「京都の月に江戸の花」の組み合わせにとても感じ入ってしまって、手紙に桜の花びらを添えて送ってくれたるんの心遣いにも感心したし、森鴎外の感性にも感心しました。
いいですよね～風流で。ホント気持ちよかったです。
最後、37年ぶりの伊織とるんの再会。
おじいちゃんになった仁左衛門さん、めちゃめちゃ可愛い～！
何でしょ、この変身ぶり。この可愛らしさ。歩き方がちょっとヨタヨタしているところや、眼鏡を取り出して文字を読むところなど、年寄りらしい仕草がすべて可愛らしく笑いを誘いました。るんもおばあちゃんなので、縁側から部屋に上がるのに、敷石に片足を上げてから『えーい、えーい、やっとな』ってな感じで段を上がるのに笑っちゃったわ～
その後の涙、涙の再会シーンは泣けました。幸せな幕切れで、見ているこちらも幸せな気分になりました。

野崎村
人間国宝が5人も出るという、豪華な演目なんですけど、私には感想を述べにくいです…あまり好みじゃないというか。
随分と悲しいお話ですね。両花道で愛する二人が別れ別れに去っていくのですが、花道が見えないとハブられた気分でかなり寂しいです…
芝翫さんのお光がやたらと可愛らしくてなんじゃこりゃ！と思いました。「びびびびび」の台詞も、縁側で足をぶらぶらさせて拗ねる場面も、衝撃の光景。
お光役って、芝翫さんくらいの年齢の役者がやるのは普通なんでしょうか？もっと若い役者がやっても似合うでしょうけど、芝翫さんでもこんなに可愛く見えるものなんですね。
田之助さんはあまり足の具合が良くないんですかね。段差がとても大変そうでした。それに比べると富十郎さんって本当に元気ですよね。元気すぎて年寄り役なのにそう見えないという…

二人椀久
幻想的で美しい舞踊でした。
囃子方の小鼓に傳傳兄弟発見♪最近この命名気に入ってます。小鼓の頭取が傳左衛門さんらしく（大鼓の隣だからそう思ったんですが合ってるかな？）、若手なのにやっぱり主力を担ってるんだな～と思いました。
仁左衛門さんの、遊女に入れあげて気が狂ってしまった人間の弱々しさ、なよなよしさが色気を生んでいて、おすべりなんかがチョー色っぽいわ～と思いながら見ていました。
私は、ゆったりと叙情的な踊りよりも早間の連れ舞いのようなテンポのよい踊りのほうが好きです。仁左衛門さんと孝太郎さんの息がピッタリで、引き込まれました。いいなぁ～やっぱりこういう時に私は「私も踊りたい！」ってなっちゃうんだよね。
この連れ舞の部分の囃子は凄かったです。手の数がメチャメチャ多い。ここも大鼓と小鼓の息ピッタリで引き込まれました。ついつい傳傳兄弟の手ばっかり見ちゃって、舞踊のほうがお留守になることも。両方見る目が欲しかった！
最後に仁左衛門さんが横たわって羽織っていた着物を抱きかかえる場面って、幻想の中で松山太夫を抱き寄せているつもりなんですよね？きっと。この場面もやたら色っぽいなぁ～と思ってびっくりでした。
最近私の身近に仁左衛門さんファンが増えているので、その影響で仁左衛門さんの魅力に開眼しつつあるようです。

せめてもう一度、幕見で観たいな。