――ファンタズマゴリア――
走馬灯のように 次々と移ろいゆく 幻想の中で
プロフィール
管理人:波華
観劇好き。主に狂言、歌舞伎、日本舞踊、大衆演劇、落語などをよく観ます。大蔵流茂山千五郎家、尾上菊之助さん、中村勘九郎さん、尾上菊之丞さん、橘菊太郎劇団、劇団花吹雪、などがお気に入り。
現代演劇で最大のお気に入りは花組芝居。その他、大中小気になった劇団を観に行きます。
日本舞踊のお稽古をしています。
たまに着物や歌やゲーム(DQ,FF)の話題も。
連絡先 e_yassie@yahoo.co.jp
現代演劇で最大のお気に入りは花組芝居。その他、大中小気になった劇団を観に行きます。
日本舞踊のお稽古をしています。
たまに着物や歌やゲーム(DQ,FF)の話題も。
連絡先 e_yassie@yahoo.co.jp
鑑賞予定
最新記事
最新コメント
たつみ演劇BOX公演@しのはら演芸場 2/11夜⇒
波華@管理人[03/14]
たつみ演劇BOX公演@しのはら演芸場 2/11夜⇒
moto[03/10]
たつみ演劇BOX公演@浅草木馬館 1/17夜⇒
波華@管理人[02/08]
たつみ演劇BOX公演@浅草木馬館 1/17夜⇒
moto[02/06]
菊花の契り⇒
波華@管理人[11/19]
菊花の契り⇒
くりみ[10/18]
遅くなりましたが、感想 「鼓の家」⇒
波華@管理人[07/04]
遅くなりましたが、感想 「鼓の家」⇒
蜂須賀承能[07/04]
劇団新感線「蒼の乱」⇒
波華@管理人[04/25]
劇団新感線「蒼の乱」⇒
moto[04/24]
カテゴリー
アーカイブ
2022年03月
(1)
2022年02月
(1)
2022年01月
(1)
2021年12月
(1)
2021年11月
(1)
2021年10月
(1)
2021年09月
(1)
2021年08月
(1)
2021年07月
(1)
2021年06月
(1)
2021年04月
(3)
2021年03月
(1)
2021年02月
(1)
2021年01月
(1)
2020年12月
(1)
2020年11月
(1)
2020年10月
(1)
2020年09月
(1)
2020年08月
(1)
2020年07月
(1)
2020年05月
(1)
2020年04月
(2)
2020年02月
(1)
2020年01月
(1)
2019年12月
(1)
2019年11月
(1)
2019年10月
(1)
2019年09月
(1)
2019年08月
(2)
2019年07月
(1)
2019年06月
(1)
2019年05月
(1)
2019年04月
(1)
2019年03月
(2)
2019年01月
(1)
2018年12月
(1)
2018年11月
(1)
2018年09月
(2)
2018年08月
(1)
2018年07月
(1)
2018年06月
(1)
2018年05月
(1)
2018年04月
(1)
2018年03月
(1)
2018年02月
(1)
2018年01月
(1)
2017年11月
(2)
2017年10月
(1)
2017年09月
(1)
2017年08月
(1)
2017年07月
(1)
2017年06月
(1)
2017年05月
(1)
2017年04月
(1)
2017年03月
(1)
2017年02月
(1)
2017年01月
(1)
2016年12月
(1)
2016年11月
(1)
2016年10月
(1)
2016年09月
(1)
2016年08月
(1)
2016年07月
(1)
2016年06月
(1)
2016年05月
(1)
2016年04月
(1)
2016年03月
(1)
2016年02月
(1)
2016年01月
(2)
2015年12月
(2)
2015年10月
(1)
2015年09月
(4)
2015年08月
(1)
2015年03月
(1)
2015年02月
(2)
2015年01月
(5)
2014年12月
(1)
2014年11月
(1)
2014年10月
(7)
2014年09月
(6)
2014年08月
(21)
2014年07月
(11)
2014年06月
(22)
2014年05月
(19)
2014年04月
(6)
2014年03月
(11)
2014年02月
(3)
2014年01月
(22)
2013年12月
(2)
2013年11月
(3)
2013年10月
(7)
2013年09月
(5)
2013年08月
(15)
2013年07月
(17)
2013年06月
(4)
2013年05月
(19)
2013年04月
(6)
2013年03月
(12)
2013年02月
(20)
2013年01月
(21)
2012年12月
(18)
2012年11月
(19)
2012年10月
(15)
2012年09月
(19)
2012年08月
(8)
2012年07月
(32)
2012年06月
(10)
2012年05月
(20)
2012年04月
(11)
2012年03月
(15)
2012年02月
(22)
2012年01月
(27)
2011年12月
(10)
2011年11月
(18)
2011年10月
(18)
2011年09月
(20)
2011年08月
(21)
2011年07月
(15)
2011年06月
(14)
2011年05月
(23)
2011年04月
(7)
2011年03月
(13)
2011年02月
(9)
2011年01月
(10)
2010年12月
(16)
2010年11月
(18)
2010年10月
(19)
2010年09月
(11)
2010年08月
(16)
2010年07月
(26)
2010年06月
(26)
2010年05月
(26)
2010年04月
(26)
2010年03月
(17)
2010年02月
(11)
2010年01月
(24)
2009年12月
(23)
2009年11月
(10)
2009年10月
(17)
2009年09月
(16)
2009年08月
(12)
2009年07月
(23)
2009年06月
(18)
2009年05月
(13)
2009年04月
(15)
2009年03月
(18)
2009年02月
(6)
2009年01月
(22)
2008年12月
(19)
2008年11月
(20)
2008年10月
(27)
2008年09月
(20)
2008年08月
(20)
2008年07月
(24)
2008年06月
(16)
2008年05月
(22)
2008年04月
(17)
2008年03月
(18)
2008年02月
(22)
2008年01月
(26)
2007年12月
(18)
2007年11月
(13)
2007年10月
(22)
2007年09月
(21)
2007年08月
(11)
2007年07月
(19)
2007年06月
(10)
2007年05月
(18)
2007年04月
(16)
2007年03月
(1)
2007年02月
(5)
2007年01月
(13)
2006年12月
(5)
2006年11月
(11)
2006年10月
(12)
2006年09月
(9)
2006年08月
(18)
2006年07月
(14)
2006年06月
(15)
2006年05月
(15)
2006年04月
(24)
2006年03月
(21)
2006年02月
(17)
2006年01月
(19)
2005年12月
(14)
2005年11月
(16)
2005年10月
(17)
2005年09月
(18)
2005年08月
(17)
2005年07月
(9)
2005年06月
(17)
2005年05月
(27)
2005年04月
(23)
2005年03月
(17)
2005年02月
(18)
2005年01月
(25)
2004年12月
(20)
2004年11月
(14)
2004年10月
(21)
2004年09月
(18)
更新リスト
カウンター
ブログ内検索
カレンダー
アクセス解析
Ad
九月大歌舞伎を観ました。
2004年09月04日(土) 20:55:42
ずっと前から「着物で行こう」と決めていたので早く起きなきゃいけなかったのですが、昨日の夜遅くまでビデオを見ていたので朝起きるのが面倒になってしまって…
(ちなみに見ていたのは「壬生義士伝」と玉三郎主演「天守物語」。その話題はあとで)
時間が無いから着物をやめて洋服にしようかなぁ…と一瞬諦めかけましたが、まだ袖を通していない夏物の紗紬をどうしても着たかったので、遅刻覚悟で着ていくことにしました。
おかげでひとつめの「高時」は見られませんでした…
ま、いいか。私が本当に見たかったのは次の「茶壷」からだったので。
「茶壷」
熊鷹太郎 三津五郎
目代某 秀調
田舎者麻胡六 翫雀
名前の通り、狂言「茶壷」を基にした狂言舞踊。舞台は松羽目。
三津五郎さんが狂言で言うすっぱの役で、翫雀さんとの連れ舞のときに、真似をしながら1テンポ遅らせた踊りを踊るのが、見ていてとても楽しかったです。翫雀さんの踏む拍子の間に三津五郎さんが均等に拍子を踏んでくるので、裏拍にリズムを突っ込んでくるような感じ。高揚感があって目も耳も離せなかったです。
筋書に書いてあったのですが、三津五郎さんは去年、千之丞さんと共に「茶壷」をテーマに競演しているそうですね。うわー!今だから思う、激しく観たかった!
ちなみに「太刀盗人」という狂言舞踊もあるらしいです。これもいつか見てみたいです。
五世中村福助七十年祭追善狂言
「一本刀土俵入」(いっぽんがたなどひょういり)
駒形茂兵衛 勘九郎
船印彫師辰三郎 三津五郎
掘下根吉 七之助
お君 宗生
河岸山鬼一郎 錦吾
博労木崎久太郎 由次郎
老船頭 幸右衛門
若船頭 高麗蔵
清大工 芦 燕
波一里儀十 弥十郎
お蔦 福助
序幕第一場の茶屋旅籠の前。酌婦(宿所属の、お酌をする女の人らしい)が2人いたのですが、そのうちの1人の声を聞いたことがある…
もしかして、小山三さん!?
筋書を見ると、確かに「小山三」(こさんざ)の名が。
わーい小山三さん!まさか舞台上で拝見できるとは思いませんでした!嬉しい~
小山三さんは、中村勘九郎さんの家の古いお弟子さんで、故・勘三郎のお世話もしていた方。先日放送されたカスペ!の中村家特集番組にも出ていらっしゃったのを見て知りました。
勘三郎さんが亡くなられる前、「俺が死んだら棺桶に小山三を入れてくれ」と言われたほど、皆に頼りにされてる、中村家には無くてはならない存在だそうです。
TVで見た喋り方から女方の人なんだろうと思っていましたがまさか舞台で拝見できるとは。今回の酌婦役はなんだかとっても可愛かった!
大向こうも、「小山三さん!」と声を掛けてました。さん付けですかい?
その後店の前で始まった喧嘩騒ぎに、二階から顔を出したお蔦役の福助さん。
昼間から酒を飲んでるんで顔がほんのり赤いんですよね。さらに口調も酔ってるのでそれが何とも色っぽい。呂律が回ってない女ってあんなに色っぽいものなのかぁ。
喧嘩の騒ぎに紛れてやってきた茂兵衛役の勘九郎さんは何だかのんびりとした間の抜けた人物で、何か言うたびお客も受けてましたが、その実直で純粋な人柄に次第に心打たれてゆきました。
この辺からのお蔦とのやりとりに私はうるうる来て、号泣しかけました。
母親の墓前で土俵入りを見せたいという茂兵衛の話を聞くうちに故郷を思い出したお蔦。
お蔦は越中富山の生まれらしい!私もだよ~!
お蔦が口ずさんだ小原節は、今も有名な八尾のおわら風の盆で謡われる「おわら節」でした。中学のときに音楽の授業で習ったなぁ~。
茂兵衛にお金や櫛や簪を与え励ますお蔦と、お蔦に何度もお礼を言いながら立ち去る茂兵衛のやり取りは涙ものでした。
序幕第二場には、芝のぶさんが登場。待ってましたぁ~~~!!
お蔦の子を背負ってあやす子守娘の役で、かなり目立つ役。台詞もあり、子守唄まで聞けました。
顔は遠くて余り良く見えませんでしたが、声が相変らず可愛い。かわいい、かわいいよ芝のぶちゃん!オフィーリアの声だよ!
芝のぶちゃんの声って、女方の訓練して作った声とは明らかに質が違うように思うんですよね。本当に、女性の声そのもの。芝のぶちゃんてマジで声変わりしてないんじゃないかしら。ソプラニスタの岡本知高さんみたいに。
大向こうが「芝のぶっ!」とやけに気合の入った声を掛けていました。
大詰には、博労の親方の子分役に七之助さん登場。若くて見目良さそうな男の役も素敵です。誰もわからないだろうけど橘劇団の花形・橘良二さんを彷彿とさせました。
お蔦と茂兵衛の再会シーンもよかった。最初茂兵衛がわからないお蔦ですが、頭突きで敵をやっつけたのを見てもの凄い絶叫と共に思い出したお蔦。随分大げさな感じもしましたが、それがドラマティックな効果を生んでいてウルっときました。
いや~いいお話でした!福助さんと勘九郎さんが本当に良かった。
菊薫縁羽衣(きくかおるゆかりのはごろも)
天帝 芝 翫
天女 児太郎
天人 国 生
天人 宗 生
宿星の童子 宜 生
朱雀 七之助
玄武 橋之助
青龍 福 助
白虎 勘九郎
橋之助さんの三男、宜生くんの初舞台です。公演中の9月10日に満三歳の誕生日を迎えるそうです。今はまだ2歳…。ちっちゃいなー。
ワイドショーで観た公開稽古では、口上で挨拶できていませんでした。初日もやはり一言も発しなかったそうです。さて今日は…?
橋之助「宜生さん、ごあいさつは」
宜生「・・・・・」
橋之助「…ということでございます」
ということで今日もご挨拶せず。それでいいのかー!?
3歳なりたてじゃ早すぎという声も聞くんですが、狂言で3歳で初舞台踏むときには「きゃーきゃー」くらいは言ってるからなぁ。挨拶くらい言えてもいいと思うんですけど…。
他の歌舞伎の初舞台の場合はどうなんでしょ?
ま、持たされた撥を取り落とそうが、眠たそうで足元ふらふらだろうが、とにかく可愛かったので良かったです。これからも贔屓しますよ~。
舞踊のほうは、皆さん綺麗で華やかで本当におめでたい雰囲気でした。福助さんの長男・児太郎くんと、橋之助さんの長男・国生くんと次男・宗生くんの踊りもしっかりしていて若々しく、見ていてとても嬉しくなりました。いちばん年上の児太郎くん、お兄ちゃんらしくしっかりしていて良かったなぁ~。
夜の部
「男女道成寺」
白拍子花子 福 助
所化 亀三郎
所化 亀 寿
白拍子桜子実は狂言師左近 橋之助
道成寺物は初見でした。
福助さんと橋之助さんの舞踊はとにかく素敵で綺麗でカッコよくて惚れ惚れしました!見ていて自分も踊りたくて仕方がなくなってしまった。衣装の早代わりも見ごたえがあったし、扇使いも綺麗だし。ふわぁっとした柔らかな動きと素早いキレのある動きが切り替えも見事に絶え間なく続いて、これこそ隙のない踊り。引き込まれました。うっとりv
途中に宜生くんも所化(寺の小坊主?)の格好で登場し、全員で挨拶。宜生くんはまた一言も発しなかったけどね。
その後手ぬぐいが撒かれましたが、幕見の私が取れるはずも無く。
所化の中に、2階席まで手ぬぐいを投げ込むつわものがいました。
最後は福助さんは鐘の上に、橋之助さんは鐘のそばで、鱗柄の衣装に変わって決め。
私の前の席に居た大向こうさん、気合入ってたなー。
ということで、今日も楽しい舞台でした。
さて、男女道成寺も見たことだし、今度は映画「蛇炎の恋~娘道成寺」を観なきゃね。
【今日の疑問1】
歌舞伎役者の家に生まれた人って、いつ頃立役か女方かが決まるんでしょう?
福助さん橋之助さん兄弟は、それぞれ女方と立役で主に活動しているし、勘太郎七之助兄弟も、それぞれ立役と女役が主。何歳くらいのときにそれが決まるんだろうか。児太郎くんたちを見ていて疑問になりました。
【今日の疑問2】
幕見の席に、歌舞伎初見らしき数人と、歌舞伎経験者とのグループがいました。
「白拍子って本当は女の人なんだけど、実は男の人だったってこと」
「でも女の人って本当は出られないんでしょ、歌舞伎」
「ついに女性も出られるようになるの?」
白拍子という踊り子のことと、歌舞伎の中での配役を混同してるよ…だれか教えてやって。
終わった感想でも
「話の筋が釈然としないんだけど」
「結局、歌舞伎ってどうでもいいようなテーマを踊りで表現したりするんだよ」
「あの人たち、本当は蛇だったの?」
「そう、実は蛇だった」
「最初に知らないとよくわからないよ」
その説明じゃ誰もわかんないと思います、歌舞伎経験者さん。元になってる道成寺の伝説を知ってるんでしょうか?その伝説さえ知っていれば、能の「道成寺」も歌舞伎の道成寺物も全部説明できるだろうに。
熊鷹太郎 三津五郎
目代某 秀調
田舎者麻胡六 翫雀
名前の通り、狂言「茶壷」を基にした狂言舞踊。舞台は松羽目。
三津五郎さんが狂言で言うすっぱの役で、翫雀さんとの連れ舞のときに、真似をしながら1テンポ遅らせた踊りを踊るのが、見ていてとても楽しかったです。翫雀さんの踏む拍子の間に三津五郎さんが均等に拍子を踏んでくるので、裏拍にリズムを突っ込んでくるような感じ。高揚感があって目も耳も離せなかったです。
筋書に書いてあったのですが、三津五郎さんは去年、千之丞さんと共に「茶壷」をテーマに競演しているそうですね。うわー!今だから思う、激しく観たかった!
ちなみに「太刀盗人」という狂言舞踊もあるらしいです。これもいつか見てみたいです。
五世中村福助七十年祭追善狂言
「一本刀土俵入」(いっぽんがたなどひょういり)
駒形茂兵衛 勘九郎
船印彫師辰三郎 三津五郎
掘下根吉 七之助
お君 宗生
河岸山鬼一郎 錦吾
博労木崎久太郎 由次郎
老船頭 幸右衛門
若船頭 高麗蔵
清大工 芦 燕
波一里儀十 弥十郎
お蔦 福助
序幕第一場の茶屋旅籠の前。酌婦(宿所属の、お酌をする女の人らしい)が2人いたのですが、そのうちの1人の声を聞いたことがある…
もしかして、小山三さん!?
筋書を見ると、確かに「小山三」(こさんざ)の名が。
わーい小山三さん!まさか舞台上で拝見できるとは思いませんでした!嬉しい~
小山三さんは、中村勘九郎さんの家の古いお弟子さんで、故・勘三郎のお世話もしていた方。先日放送されたカスペ!の中村家特集番組にも出ていらっしゃったのを見て知りました。
勘三郎さんが亡くなられる前、「俺が死んだら棺桶に小山三を入れてくれ」と言われたほど、皆に頼りにされてる、中村家には無くてはならない存在だそうです。
TVで見た喋り方から女方の人なんだろうと思っていましたがまさか舞台で拝見できるとは。今回の酌婦役はなんだかとっても可愛かった!
大向こうも、「小山三さん!」と声を掛けてました。さん付けですかい?
その後店の前で始まった喧嘩騒ぎに、二階から顔を出したお蔦役の福助さん。
昼間から酒を飲んでるんで顔がほんのり赤いんですよね。さらに口調も酔ってるのでそれが何とも色っぽい。呂律が回ってない女ってあんなに色っぽいものなのかぁ。
喧嘩の騒ぎに紛れてやってきた茂兵衛役の勘九郎さんは何だかのんびりとした間の抜けた人物で、何か言うたびお客も受けてましたが、その実直で純粋な人柄に次第に心打たれてゆきました。
この辺からのお蔦とのやりとりに私はうるうる来て、号泣しかけました。
母親の墓前で土俵入りを見せたいという茂兵衛の話を聞くうちに故郷を思い出したお蔦。
お蔦は越中富山の生まれらしい!私もだよ~!
お蔦が口ずさんだ小原節は、今も有名な八尾のおわら風の盆で謡われる「おわら節」でした。中学のときに音楽の授業で習ったなぁ~。
茂兵衛にお金や櫛や簪を与え励ますお蔦と、お蔦に何度もお礼を言いながら立ち去る茂兵衛のやり取りは涙ものでした。
序幕第二場には、芝のぶさんが登場。待ってましたぁ~~~!!
お蔦の子を背負ってあやす子守娘の役で、かなり目立つ役。台詞もあり、子守唄まで聞けました。
顔は遠くて余り良く見えませんでしたが、声が相変らず可愛い。かわいい、かわいいよ芝のぶちゃん!オフィーリアの声だよ!
芝のぶちゃんの声って、女方の訓練して作った声とは明らかに質が違うように思うんですよね。本当に、女性の声そのもの。芝のぶちゃんてマジで声変わりしてないんじゃないかしら。ソプラニスタの岡本知高さんみたいに。
大向こうが「芝のぶっ!」とやけに気合の入った声を掛けていました。
大詰には、博労の親方の子分役に七之助さん登場。若くて見目良さそうな男の役も素敵です。誰もわからないだろうけど橘劇団の花形・橘良二さんを彷彿とさせました。
お蔦と茂兵衛の再会シーンもよかった。最初茂兵衛がわからないお蔦ですが、頭突きで敵をやっつけたのを見てもの凄い絶叫と共に思い出したお蔦。随分大げさな感じもしましたが、それがドラマティックな効果を生んでいてウルっときました。
いや~いいお話でした!福助さんと勘九郎さんが本当に良かった。
菊薫縁羽衣(きくかおるゆかりのはごろも)
天帝 芝 翫
天女 児太郎
天人 国 生
天人 宗 生
宿星の童子 宜 生
朱雀 七之助
玄武 橋之助
青龍 福 助
白虎 勘九郎
橋之助さんの三男、宜生くんの初舞台です。公演中の9月10日に満三歳の誕生日を迎えるそうです。今はまだ2歳…。ちっちゃいなー。
ワイドショーで観た公開稽古では、口上で挨拶できていませんでした。初日もやはり一言も発しなかったそうです。さて今日は…?
橋之助「宜生さん、ごあいさつは」
宜生「・・・・・」
橋之助「…ということでございます」
ということで今日もご挨拶せず。それでいいのかー!?
3歳なりたてじゃ早すぎという声も聞くんですが、狂言で3歳で初舞台踏むときには「きゃーきゃー」くらいは言ってるからなぁ。挨拶くらい言えてもいいと思うんですけど…。
他の歌舞伎の初舞台の場合はどうなんでしょ?
ま、持たされた撥を取り落とそうが、眠たそうで足元ふらふらだろうが、とにかく可愛かったので良かったです。これからも贔屓しますよ~。
舞踊のほうは、皆さん綺麗で華やかで本当におめでたい雰囲気でした。福助さんの長男・児太郎くんと、橋之助さんの長男・国生くんと次男・宗生くんの踊りもしっかりしていて若々しく、見ていてとても嬉しくなりました。いちばん年上の児太郎くん、お兄ちゃんらしくしっかりしていて良かったなぁ~。
夜の部
「男女道成寺」
白拍子花子 福 助
所化 亀三郎
所化 亀 寿
白拍子桜子実は狂言師左近 橋之助
道成寺物は初見でした。
福助さんと橋之助さんの舞踊はとにかく素敵で綺麗でカッコよくて惚れ惚れしました!見ていて自分も踊りたくて仕方がなくなってしまった。衣装の早代わりも見ごたえがあったし、扇使いも綺麗だし。ふわぁっとした柔らかな動きと素早いキレのある動きが切り替えも見事に絶え間なく続いて、これこそ隙のない踊り。引き込まれました。うっとりv
途中に宜生くんも所化(寺の小坊主?)の格好で登場し、全員で挨拶。宜生くんはまた一言も発しなかったけどね。
その後手ぬぐいが撒かれましたが、幕見の私が取れるはずも無く。
所化の中に、2階席まで手ぬぐいを投げ込むつわものがいました。
最後は福助さんは鐘の上に、橋之助さんは鐘のそばで、鱗柄の衣装に変わって決め。
私の前の席に居た大向こうさん、気合入ってたなー。
ということで、今日も楽しい舞台でした。
さて、男女道成寺も見たことだし、今度は映画「蛇炎の恋~娘道成寺」を観なきゃね。
【今日の疑問1】
歌舞伎役者の家に生まれた人って、いつ頃立役か女方かが決まるんでしょう?
福助さん橋之助さん兄弟は、それぞれ女方と立役で主に活動しているし、勘太郎七之助兄弟も、それぞれ立役と女役が主。何歳くらいのときにそれが決まるんだろうか。児太郎くんたちを見ていて疑問になりました。
【今日の疑問2】
幕見の席に、歌舞伎初見らしき数人と、歌舞伎経験者とのグループがいました。
「白拍子って本当は女の人なんだけど、実は男の人だったってこと」
「でも女の人って本当は出られないんでしょ、歌舞伎」
「ついに女性も出られるようになるの?」
白拍子という踊り子のことと、歌舞伎の中での配役を混同してるよ…だれか教えてやって。
終わった感想でも
「話の筋が釈然としないんだけど」
「結局、歌舞伎ってどうでもいいようなテーマを踊りで表現したりするんだよ」
「あの人たち、本当は蛇だったの?」
「そう、実は蛇だった」
「最初に知らないとよくわからないよ」
その説明じゃ誰もわかんないと思います、歌舞伎経験者さん。元になってる道成寺の伝説を知ってるんでしょうか?その伝説さえ知っていれば、能の「道成寺」も歌舞伎の道成寺物も全部説明できるだろうに。
PR
コメント
初めましての方はぜひ自己紹介を。
トラックバック
記事内容に全く関連のないトラックバックは断り無く削除します。
この記事にトラックバックする: