南條劇団とスーパー兄弟公演＠佐倉湯ぱらだいす 夜 2/14

ずいぶんと遅くなりましたが…このあいだの佐倉レポ。

夜の部は、お待ちかねの「夏祭浪花鑑」！
いつもと違って、最初に舞踊ショー、お芝居は最後でした。

アルバムはこちら。

舞踊ショー
・美麗さん立役、影虎くん女形　「恋」
・男性陣群舞　「北の海明け」
・美麗さん立役　「最後の雨」
・影虎くん立役「傘ん中」
・女優群舞　「女は男の言葉で変わる」
・夢弥　「北の鴎歌」
・美麗さん女形　「？」平原綾香
・影虎くん歌　「お役者変化」
・美麗さんダンス　「呪文」東方神起～ラスト全員でダンス

わー兄弟二人の男女相舞踊！！虎ちゃん可愛い～
二人の男女相舞踊、初めて観たかも。これは貴重♪



美麗さん最近お気に入りの東方神起から「呪文」
次の芝居の準備のためか、メイク落としてたけど（＾＾；
かなりセクシーなダンスでしたん




お芝居　美麗歌舞伎　「夏祭浪花鑑」
団七：影虎
一寸徳兵衛：美麗
磯之丞：ほたる
琴浦：つばき
お梶：大路にしき
お辰：影虎
さぶ：南條隆
義平次：美麗

いやあ、すごかった！
こんな芝居を湯ぱらで観られるなんて、すごいね。
勘三郎さんがやっている「夏祭浪花鑑」と構成はほぼ同じ。というか、積極的に同じ演出を取り入れていると言ったほうが正しいかな。
美麗さんは徳兵衛と義平次の二役、影虎くんは団七とお辰の二役。大活躍だ。
ほたるちゃんが磯之丞の役ってのが意外でしたねー。でも可愛らしいボンボンなお坊ちゃまで良かったです。
にしきさんのお梶と南條隆さんのさぶ、これはお二人ともさすがの貫録で、役柄も合っているし観ていてすごく安心できました。さぶ役、カッコ良くてホントよかったなぁ。

初めに、一寸徳兵衛の美麗さん登場で、物語の説明と注意事項から。
最前列の人には水除けの大きなゴミ袋が配られたんですが、水を使うのは最後の場面だけなので、最初は必要ないですよ～とのこと。
私は3列目だったので、ほとんど被害はなく、良かったような残念なような（＾＾；

初めの場面。
町のお祭りで、会場後ろの入り口から町の人々が歩いてやってきて、舞台付近で喧嘩が始まり、それを通りがかった団七が止めに入るが、喧嘩の相手がとある武家の家人だったために団七は牢に入れられてしまう。
この辺のくだりは、中村屋の演出と同じですね。

磯之丞が琴浦に入れあげてしまって家に帰らないので、世話役のお梶が乞食の一寸徳兵衛と策を練って一芝居打つ。
このへんも演出ほぼ同じですね。
めんどーなので説明とばしますー

団七と徳兵衛が出会う場面。
附け打ちが入って、2本の棒を使っての見得。いいねぇ。美麗さんと影虎くん、よく決まる！
良く見ると衣装も似たような柄のものを使っているし、化粧も少し歌舞伎に似せてるのかな。
美麗さんと影虎くんの2人で息を合わせつつ演技をぶつけているのが観ていてとっても気分が高揚する。

そうそう、団七が琴浦に道を教えるところ。
捕まったお役人さん(銀平さんだっけ…？)はちゃんと黒塀とか松の木とかお地蔵さんとかやってました。あれはなかなか難しいと思うんだけど、よくやったと思う！すごい！

徳兵衛の内儀のお辰が、さぶ宅へ磯之丞を迎えに行く場面。
虎ちゃん、団七とお辰の二役なのかぁ～！！！(嬉)
この場面、もしかしてやらないんじゃないかと思ってたんだよね、だってもともと長いお芝居だし、この場面難しいし、虎ちゃんは団七の役としか聞いてなかったから。
きゃーまさか虎ちゃんの女形のお芝居、しかもお辰さんを観られるとはｖｖｖ嬉しかったなぁ～。
美人で色気があるから磯之丞様を任せることはできないとさぶに言われ、火桶にあった火箸を自分の顔に押し付けて火傷を負う。壮絶な場面。そして「これでも色気がござんすか」と啖呵を切る。くぅ～っ、いい女すぎる！！虎ちゃんいいお芝居でした！バンザイ！

団七の舅の義平次が、琴浦を攫って連れて行ってしまう場面。
美麗さんの義平次。そして追いかけてきた団七との立ち回り。
来たねー来たねー。ここが最大の見せ場。
団七は着物を脱いで半股引に肌襦袢、ざんばら頭。義平次はメイクが怖い～。いかにも意地悪そうな顔。
プールを使って水をまき散らしながらの大立ち回り。
照明の使い方が面白くてねー。これも中村屋の演出のコピーなんだけど、舞台の照明は落して、黒子3，4人が懐中電灯で二人を照らすのみ。不気味な静けさの中、暗闇で立ち廻る、水音と附けの音だけが聞こえてくる、みたいな感じ。
二人ともすごい形相で、型も決まってすごく良かった！
「悪い人でも舅は親」絞り出すように呟く団七。いい台詞だったなぁ。

捕り手から団七と徳兵衛が逃げる場面。これがまた見せ場が多い。虎ちゃん熱演。
虎ちゃんが、捕り手が組んだ棒の階段を上って見得を切るところがあって、これはもう舞台から降りて客席の湯ぱらの天井に迫るくらいの高さまで登っていて、これはスゴイと思った！下から見上げる形で見えるんだもの。やーテンションあがりました！この演出も、勘三郎さんが花道で長い梯子に登って見得を切る演出からヒントを得たみたいです。さっすがだわー。
捕り手のみんながトンボを切るところも多くあって歌舞伎らしい立ち回りでした。このために座員みんなトンボの訓練をしていたみたいですね。特に瞳ジョージさんのトンボがなかなか綺麗に型が決まっていて印象に残りました。すごいなーみんな頑張ってるなー。
団七が徳兵衛と合流して、二人で逃亡。
(美麗さんの義平次→徳兵衛の早替えも見事だね！)
客席後方に逃げて行って、あとは舞台上に逃げる様子をビデオでスクリーン上映。
毎公演、その劇場に合った演出で作り直してるんだって。こだわってるなー。
今回は、湯ぱらの前の道で立ち廻り、その後湯ぱら内のスポーツセンターやプールでの逃亡劇。すんごい面白い～！
捕り手のみんながエクサバイクに乗っている後ろを団七徳兵衛が歩いていたり(笑)
プールサイドを追いかけたり、プールの中を追いかけたり！メイクしたまま、衣装も付けたままだよ？よく湯ぱらで許可下りたよねぇ。
プールの横にある温水プールでくつろいでるわ、みんなでプールに落とし合いっこするわ。どんだけ遊んでるんだろ！？
かなり長いビデオでしたが、盛りだくさんで楽しくて、ついつい見入ってしまいました。
前日夜に撮ったらしいんですけどね。毎日舞台で忙しいのに、よくやるなぁ。

逃避行ビデオ(笑)が終わって、今度は団七と徳兵衛と捕り手たちが客席後方から戻ってきて、舞台上でバッタリ、幕切れ。

はぁ～楽しかった。美麗歌舞伎バンザイ！
勢いがすごいなと思う。雑さもあるけど、強い意志でそのまま押し通しちゃうから、細かいことはどーでもよくてとにかく圧倒されるなぁ。
湯ぱらだとちょっとできなかったんだけど、これ劇場でやってもらってスタンディングしたかったなぁ。
でも、こんな大がかりな水を使う芝居は逆にセンターじゃないとできないって。
んー勿体無いねー。こんなにいい芝居なのに。お客さんもちょっと少なめで寂しかったよ。


そうそう。送り出しで美麗さんに聞いたんだけど。
美麗さんのお誕生日記念公演だか何かで、「阿修羅城の瞳」と「研辰の討たれ」をやりたいらしいんだって！！
えぇえ～マジですか！？
阿修羅城をやりたがってるのは聞いたことあるんだけど、まさか研辰まで。もちろん野田版で。あの人間臭いところが好きなんだって。
そっかぁ～。美麗さんの研辰かぁ。興味あるなぁ。虎ちゃんは敵討兄弟のどっちかをやるかも、だそうで。
実現化するかどうかはまだ未定なようだけど。
美麗さんって、やりたいことを自分の中にたくさん持ってるんだろうなぁ。やりたいと思ったことはすぐにやらないと気が済まないタイプだそうで(本人談)、良い意味で怖いもの知らずだなと私が思ったのは間違ってなかったんだなぁと思いました。


あっという間に2月も終わってしまったので、次にスーパー兄弟をがっつり観られるのはいつになるか分からないけど、今度こそ「悪の華」見たいし、他の歌舞伎芝居もいっぱい観たい！