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――ファンタズマゴリア――     走馬灯のように 次々と移ろいゆく 幻想の中で
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管理人:波華
観劇好き。主に狂言、歌舞伎、日本舞踊、大衆演劇、落語などをよく観ます。大蔵流茂山千五郎家、尾上菊之助さん、中村勘九郎さん、尾上菊之丞さん、橘菊太郎劇団、劇団花吹雪、などがお気に入り。
現代演劇で最大のお気に入りは花組芝居。その他、大中小気になった劇団を観に行きます。
日本舞踊のお稽古をしています。
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劇団荒城公演@篠原演芸場 9/6夜
2012年09月11日(火) 19:12:59
噂に名高き「数衛門」を観に。

真吾三番勝負の3日間の中日にかかった芝居。
舞踊ショーが先で芝居が後だと聞いていたので、大幅遅刻で芝居から。

拍手[0回]


お芝居「数衛門」
不破数衛門:荒城真吾
三五郎:姫乃まさかず
かなめ:荒城勘太郎
大石内蔵助:華月照師
大石主税:荒城蘭太郎

原作は、四世鶴屋南北作の「盟三五大切(かみかけてさんごたいせつ)」
人がたくさん殺される、ドロドロとして陰惨な内容。
数衛門は赤穂浪士の1人。「東海道四谷怪談」から十日もたたないうちに書かれた芝居らしく、やはり「忠臣蔵」の外伝的な内容で「四谷怪談」の後日譚でもあるそうな。

役名が歌舞伎版とちょっと違っていた。
不破数衛門→薩摩源五兵衛 実は 不破数右衛門
三五郎→(同じ)
かなめ→小万 実は お六

話の大筋は歌舞伎版と同じだけど、細かいところで少しずつ違ってたと思う。詳しくはググるべし。
花形歌舞伎と、コクーン歌舞伎と、花組芝居ヌーベルとで「盟三五大切」を観たけど、いろいろ忘れてるなぁ…。


序幕。
花街のきらびやかな楼閣。蝋燭の炎が灯る中、狐の面を付けた人々が行き交う。
夢の世界に迷い込んだような、幻想的な場面。こういうところが、とっても映像的な演出だなといつも思う。初っ端からぐっと掴まれるなぁ。
花魁道中で使う大きな傘の後ろでお着替えし、数衛門登場。
三五郎とかなめ夫妻に騙され、50両の金子を取られてしまう。
数衛門が50両の封を切ってしまう、というところをあえて強調していたと思う。封を切ったことで、数衛門はふるい落とされたのだから(これは後でわかること)

心から愛していたかなめに裏切られて、怒りを抱く数衛門。
遠くに逃げようと身支度する三五郎かなめ夫婦とその友人が集まる家に忍び入り、暗闇のなか手探りで皆殺し。
蝋燭と最低限の照明のみの薄暗い中、不気味な面をつけ、残虐に人を殺していく数衛門。まるで快楽殺人者みたいに、しつこく何度もメッタ刺し。怖いよ!
暗い中で音もなく揚幕から花道にそっと出て、いきなり大きな音を立てるなんて、ホラー映画みたいだ。そりゃお客さんみんなビクゥ!!ってなるさ。
でも、三五郎かなめ夫婦は運よく裏口から逃亡。
幕間の転換中に、読売りの月太郎くんが大量殺人の事件を報告。いい味出てたなぁ。

逃亡先で怯えながら暮らす三五郎かなめの居所を、数衛門にみつかってしまう。
かなめ1人のところに数衛門が訪れ、恨みつらみを並べ立て、かなめをなぶり殺す。
かなめの首をかかえ、住処とする古寺に持ち帰り、かなめの首を前に茶漬をすする。
数衛門のために討ち入りに必要な金子を用立ててくれた家来の話を良く聞くと、金子を用意してくれたのは家来の息子であり、数衛門をだまして金を奪った三五郎だった。
主従関係と血縁関係が、複雑に絡み合い一つにつながっていた。
三五郎はかなめが殺されたことを知り、自分の罪を恥じて切腹。

ここまでは歌舞伎版とだいたい同じ内容。このあと数衛門は吉良邸討入に参加。
でも、荒城版は全く異なっていた。そう来たか!やられたー。
数衛門は金子を手に大石内蔵助の元に行くが、大石内蔵助は数衛門が討ち入りに参加することを拒絶する。
討入までの長い月日、浪士たちそれぞれが討入に相応しいか相応しくないか、ふるいにかけていた。数衛門のこれまでの遊興三昧、犯した罪の数々は許し難し、ということ。
数衛門は、その場で浪士たちに斬られる。内蔵助に噴きかけた血糊がすさまじかった。
浪士が46人になってしまったので、数衛門の下男のいちすけに数衛門を名乗らせ討ち入りに参加するよう、内蔵助が命令。
数衛門が見た幻か?かなめが白無垢で目から血を流し、首に切り傷のある姿でさまよい出る。数衛門を地獄に引き入れるために現れたんだろうか。カラコンを入れた目が怖い~。

なんかもう本当にホラー映画みたい。お客さんをびっくり驚かせる演出がいろいろ。
そして大石内蔵助はダークな人物だったなぁ。あんなに冷酷で感情の動きのない大石内蔵助は新鮮。


数衛門を騙す場面や、長屋の幽霊騒動(カットしてた)などの少しコミカルで笑える場面は敢えて排除したのかな?
終始、暗い雰囲気で最後まで通していた。
かなめ殺しは、コクーン歌舞伎のいたぶり方が官能的でそそるなぁと思ったので、そういうのも観たかったな。


歌舞伎版をもう一度観たいなぁ。
あと、なーおとさん版数衛門も。
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コメント
波華さ~ん、お芝居ちょうど間に合って良かったですね~!

わたしも、最初のろうそくの灯りで引きこまれてしまいました。
そして数衛門がかなめをなぶり殺しにするシーン。
ほんっとうに怖かった!鳥肌立った!

ラストシーンは、歌舞伎ではこれだけの悪業をしながらも、
晴れて討ち入りに加わり名を残すという武家社会への皮肉を書いたそうだけど、
直人さんの作った荒城版の方が、実は別人の下男だったなんておもしろいですよね。

今日は、藤乃かなさんゲストで田原坂。
三兄妹の妹役がかなさんかしら?
またまた楽しみ~♪
ジュン 2012年09月12日(水)10:34:28 編集
>ジュンさん
本当に、ちょうど間に合って、お芝居を最初から観れて良かったです!
ラストの書き換えは、新解釈で、面白いですよね。どこからこんなアイデアが出てくるんだろう?驚きです!

昨日の田原坂も、とってもいいお芝居でしたね。
やっぱり、荒城の芝居は格別です!
波華@管理人 2012年09月13日(木)11:11:47 編集

初めましての方はぜひ自己紹介を。
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